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私の楽譜製本法3(台紙製本)

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  2. 私の楽譜製本法2 (両面印刷譜の場合)へリンク
  3. 楽譜台紙のメンテナンス へリンク
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この台紙製本に進む前に作ったものをご紹介する。これは台紙素材に紙を使ったものを使い込んだ画像。楽譜を何度も貼り替えて使っているうちに台紙の上質紙が皺になったのが今回の製本法3に進んだ切っ掛け。
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この結果を受けて新しい台紙には更に厚い上質紙も考えたが重くなってしまってきゃしゃな譜面台では耐えられないかも知れないと、A3のクリアホルダー(透明樹脂板製の書類はさみ)でB4用の台紙を作った。楽譜込み最終重量は上質紙の本と比べて55グラム軽い575グラムになった。A4用台紙を作るにはB4用クリアホルダーを買って必要な寸法にカットすれば良い。
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今回の表紙に使ったのは白いつや消しのポリプロピレン板。厚みは0.75ミリだが0.4とか0.5ミリのものがあればそちらが良いと思う。
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各ページを貼り合わせるのは色々試して18ミリ幅の和紙製白色(生成り)のマスキングテープ、文房具店かDIY店で売っている。
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台紙となるクリアホルダーの薄い樹脂板をページ用の寸法にカットしている様子。裁断にはカールと言うメーカーのディスクカッター使っているが、カット位置を固定させる真っ直ぐな棒を両面テープで台に貼り付け、それに押し付けながらカットすると何枚切っても寸法が狂わない。
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縦寸法はカッター台の幅より大きく切りたかったので、まずベニア板をカッター台に両面テープで固定し、それに目途の棒を貼り付けた。
クリアホルダーは裏表2枚がワンセットでつながっているが、面倒でも1枚1枚切り離してから作業しないとページにクセが残って楽譜が読みづらい。これが解る為に1冊無駄にしなければならなかった。
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寸法に切った台紙を2枚ずつマスキングテープで貼り合わせる。この時、きれいに貼り付ける為に使ったのは製本法2でご紹介したベニア板の製本道具。それを使った貼り合わせ方をそのまま今回に応用するのだが、出来た2枚ワンセット二つを同じような方法で背面同士を揃えて又マスキングテープで貼り合せる。それを繰り返して最後に裏と表のページに表紙を同じように製本道具を使ってマスキングテープで貼り合せる。この際、積み重ねた台紙と表紙は厚みが異なるので表紙側には適当な本などを下敷きにして貼り合せやすくしてやる。

最後に背表紙を貼る。
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製本の手順。
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出来上がり。背表紙に今回は国産の布粘着テープを使った。
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マスキングテープの様子。表紙の寸法と台紙ページの大きさの差にも留意頂きたい。今回のはちょっと差を付け過ぎた感じがするが、譜面台に乗せた状態でページをめくりやすくする為にも寸法差は必要と思う。横幅は各ページに貼り付けるタグを保護する為にも十分取りたい。

台紙に楽譜を貼り付けるのに使ったのはスリーエムのスプレー糊55、似たようなものではあるがスリーエムスプレー糊77では強力すぎて使いづらかった。楽譜の裏へスプレーするには真上からでなく真横か、悪くても斜め上から吹きつけなければ糊のしずくが落ちて楽譜が用済みになった時にはがれにくくなる。きれいにスプレー出来ればはがすのは割とスムーズに行く。
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団に属していると連絡事項などが配布されることがあるが、それを散逸させない為にA4のクリアホルダーそのものをポケットとして台紙の表紙裏に両面テープでちょこちょこと貼った。
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各部の寸法

B4楽譜の例でしか解らないが、B4用紙 の寸法は364mm×257mm、これを貼り付ける台紙寸法を私は372mm×280mm、表紙の寸法を382mm×292mmで裁断した。これくらいゆとり幅を取ってやると楽譜の貼り付け作業が窮屈にならず、また各ページ毎に貼り付けるタグがくしゃくしゃにならない。

問題点と美点

台紙に貼った楽譜を一度でも剥げば台紙にスプレー糊が残ってページがベタベタする。この為楽譜を剥いだページには無駄になるが新しいコピー用紙を貼り付けておかなければならない。使いづらいほどべたべたするようになれば次ページでご紹介する「洗濯」と言う手がある。これは有効。


フラップと3枚楽譜

今回取り付けたフラップの概念図。フラップは3枚楽譜を読みやすく使う為の工夫。表紙と同じ材質を使う。作るコツや使い方は下の連続5枚画像をご覧頂きたい。
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まずページを全部めくって裏表紙を出す。
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フラップを広げる。譜面台から張り出したフラップがヘタれば楽譜が読めない。その為には二つの工夫がある。一つはまず3枚楽譜の出来上がり幅を決めておき、広げた楽譜をおおむねカバーするようにフラップの取り付け位置とフラップ幅を決める。フラップは裏表紙の先端には取り付けないように注意。もう一つは概念図のようにフラップ先端をダブルに作る。
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3枚楽譜があるページまで戻る。この楽譜は幅が狭いのがお解かりと思う。
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3枚目の裏に貼り付けた三角タグを引っ張って。。。
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これで演奏準備完了。この例の曲はほとんど休みがなく連続的に演奏されるので一人バシストの私にはこのような工夫をするしか道がない。
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エアコンの風が吹く恐れのあるステージで使う時、このままで良いとは思うが念の為に楽譜を90gとか110gとかの厚みで作っておけば更に安心。
別解としては風を受け易い3枚目にコピー用紙を裏打ちする事も考えられる。3枚楽譜は縦に細長く切り取る余白部分が出来るがそれを一部に利用するのも良いと思う。ちなみに画像に見える三角形のタグはその余白部分を四角く切り取って貼り付けた。

3枚楽譜の概念図
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3枚楽譜はその3枚だけで1曲の譜面を完成させると言う使い方だけでなく、更に長い楽譜の場合は長休符などがあって手が休められる区切りなどをうまく利用して普通サイズの譜面を3枚楽譜の前や後ろの台紙に貼り付けると良い。もっと長いものだと二つ目の3枚楽譜をページをめくって次の台紙に貼り付けるケースも考えられる。

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次は番外のアイデア。

楽譜裏にスプレー糊を吹き付ける作業は室内では出来ないので1枚ずつ屋外で吹き付けては部屋で貼り付けていた。
室内でも吹き付け作業が出来る道具がこれ、深めの段ボール箱。

底には楽譜受け用の段ボール板を少し浮かせて取り付けたので前に使った糊で楽譜が底に貼り付いてしまわない。段ボール箱の深さは20センチ余りだがこれでも箱を置いた周囲の床が糊でべた付く恐れはほとんどない。夜間作業がこれでうんと楽になった。
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2012・8・9

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