音楽そしてコントラバス    管理人室    音楽ホール    バシスト控室    工房    ギャラリー    遮音室    娯楽室    ロビー
音楽そしてコントラバス・トップ>工房>演奏者の為の工作室>楽譜を製本しよう>このページ

私の楽譜製本法1(片面印刷譜の場合)

  1. 私の楽譜製本法2 (両面印刷譜の場合)へリンク
  2. 私の楽譜製本法3 (台紙製本)へリンク
  3. 楽譜台紙のメンテナンス へリンク
*

コンサートで使う曲の演奏順が確定した時に、私は楽譜をその順に並べてステージ毎にまとめて製本することにしているし、自分で練習している曲も長いものなら製本する。

製本の仕方は人によってさまざま、よく見かけるのは透明な袋を綴じたファイルノートに差し込むやり方、これが一番簡単。反復使用出来て良いのだが舞台照明によっては反射光で読めなくなる。次がスクラップブックに貼り付けるもの、これら二つは重くて分厚くなり譜面台が不安定になる傾向がなきにしもあらず。試行錯誤を何度かしてこれからご紹介するスタイルに落ち着いた。

そもそも使う楽譜を製本する美点は、曲の順番を間違えてステージ上で慌てる危険がなく、楽譜を入れ替える時に譜面台から落としてしまう失態が決して起きないから演奏への集中心が途切れないこと。ステージ上で集中する心を失わない為の備えと工夫は製本だけに止まらず、考えられる全てにおいて必要だ。

*

製本の為に用意するもの
1)ちょっと厚手の用紙。表紙に使う。 2)楽譜(A4ならA4に統一して一枚ずつコピーしたもの) 3)スプレー糊 4)製本テープ 5)マスキングテープ 6)カッター 7)貼りあわせ器(後述)
楽譜の製本1

最初に貼り合わせ器を作ろう。
製本したい大きさより少し大きいベニア板を二枚買ってくる。それをつき合わせて製本テープで画像のように貼りあわせる。製本テープは片側ずつ貼れるようになっているので上手く貼れそうだがこれが難しい。まっすぐ貼る為にあらかじめ鉛筆で仕上げ線を引いておきそれに沿って貼ればよいのだが慎重にやってもへの字に曲がってしまう。二人掛かりで貼ったほうが良さそうだ。
楽譜の製本2

それを折り畳んで背表紙側からも同じように製本テープを貼る。私は表側には幅広のテープを使った。要領は下図を参照されたい。
楽譜の製本3
楽譜の製本4

次に貼り合わせ器に挟んで貼り合わせる楽譜同士が正しい位置に来るようにガイドライン(赤矢印で示した黒いライン)を作る。私は製本テープを二枚重ねにして使った。一枚では厚みが足りずに楽譜が滑り落ちてしまう。ガイドラインは直角を出そう。これで貼り合わせ器は出来上がり。
楽譜の製本5

ここから楽譜の製本作業に入る。
最初にする事は、楽譜の編集とページ順序決め。ある曲をお休みの所でページをめくれるように偶数ページから始めるか奇数ページにするかを決める。更に必要なら楽譜を作り変えておく。例えば反復が複雑で間違えそうならダカーポやダルセーニョにせずにその部分をコピーして貼り足す。そもそもそれらは写譜や用紙を節約する為にだけあるのであって演奏を助ける為のものでは断じてなく全くその逆で、うっかり者の私はこれで集中心を失ってしまったステージが星の数ほど。

又指揮者がある部分を省略して演奏する指示を出したならコピー譜もそこをカットする。またA3にA4二枚分をまとめてコピーされた楽譜は面倒でも一度切り離して(必要ならコピーし替えて)A4一枚で1ページになるようにしてからページ配列を決める。譜めくりの都合次第では白紙の空ページを貼り合わせる必要があるかもしれない。ページめくりの場所も決め、その為に必要なら楽譜の編集をする。

ページ編集と配列が決まったら少し硬めの表紙と裏表紙を含めてページ番号を書きゼムピンなどでカップルになったページの裏表を仮止めする。これは接着する順番を間違えない為、私はよく間違えてしまうが接着したら夏ならもう後へは戻れない。確認を済ませたら作業順序通りに重ねておいてからページの裏表を貼りあわせる。

貼りあわせたい二枚の楽譜を裏にして新聞紙の上などに並べてスプレー糊を吹きつけてから貼り合わせ器にきれいに並べる。うまい方法としては風呂場の床に洗面器などを裏返しにして二つ並べ、その上に紙を乗せてスプレーを掛ける。風呂に入る時に湯を流せば残った糊は洗い流される。

貼り合わせ器の上に並べる時は青い矢印部分、赤い矢印部分で紙が綺麗に揃っていることを確認して気をつけながら半ば閉じ、歪みがないことを再確認したらそのまま思い切ってぱたんと閉じる。貼り合わせ器を作るまでは貼り合わせ作業はとても難しかった。
楽譜の製本6

貼り終えるたら重ねて重しを乗せ、しばらく放置する。
楽譜の製本7

糊が乾いたら仕上げたい順番を確認しながらページを並べ、きれいに重ね合わせて”本の背になる側だけ”カッターで切り揃える。画像のようにクリップで止めたら作業誤差が少ない。
楽譜の製本8

背を切り揃えたらページ毎の合わせ目をマスキングテープ(養生テープ)で貼り合わせる。ページ貼り合わせのテープは樹脂製ではなく必ず紙製、それも和紙製を使いたい。製本の際には次の小文、<私の楽譜製本法2>の最初にご紹介している製本道具を作って使うと良い。
楽譜の製本9

この際気をつける事は二点、1)真っ直ぐ貼ろうとテープを引っ張りすぎるとページがいびつに引き攣れてしまうので気をつける。2)貼り合わせるページとページをぴったり寄せず、0.5ミリ程度離してテープを貼る事。この理由はカッターは良く見るとまっすぐ切れず曲がってカットしているので、この誤差を吸収するためのゆとりが必要。ぴったりと貼り合わせるとゆがみの為にページがすっきりとめくれない。
楽譜の製本10

最後のページを貼り終えたら製本テープで背表紙を付ける。その際は楽譜の厚さを計算に入れて貼り始めないと、表紙と裏表紙とで製本テープの見え掛かり幅が大きく違ってくる場合がある。また楽譜の背に貼りつける製本テープによって表紙が引っ張られてちゃんとページがめくれない事があるので、最初にも書いたが表紙と裏表紙には少し厚い紙を使わなければならない。 なお、後日背表紙には製本テープでなく手芸品店で売っている”布テープ”が適している事が解った。詳細は次ページの小文<私の楽譜製本法2>を参照して頂きたい。

最後に本の背以外の3辺をカッターで切りそろえる。
楽譜の製本11

これで出来上がり。このようにカッターで各辺を切り揃える工程があるのがA3楽譜を二つに折りたたんでそのまま使えない理由。このような楽譜製本をいくつも製作して本棚などに飾るなら大きさを揃えなければならない。自分なりの縦横寸法を決めて常にその通りに作る為には厚紙などを一枚、その寸法で作っておくと良い。
楽譜の製本12

なお、自分で使う楽譜は楽譜ソフトで作成し、指使いなども一緒に打ち込む。ついでに通常私はA4のお玉杓子は追えないほど目が悪いのでB4に拡大した上でお玉杓子も大きなフォントを使う。表紙と裏表紙はフォームを作っており、曲名など必要部分を打ち替えて使う。ソフトで自分用楽譜を作る良さは、練習が進んで書き込みが増えたり変更があった時など気楽に再打ち込みしてまっさらの楽譜に出来ること。私は1コンサートで2〜3回作り変えたりすることもある。

2004/11/7

■ 楽譜の著作権に関する情報
以下引用文
著作権法で守られている著作物(音楽/文芸/学術/美術などの作品)をコピーする場合は、著作権者(音楽の場合は作曲者/作詞者など)の許諾が必要ですが、次の場合は許諾がなくてもコピーすることができます。

1)個人的にまたは家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とする場合
_著作権法第30条参照
2) 学校の授業で使用することを目的とする場合
_同第35条参照
ただし2)の場合、“著作権者の利益を不当に害さない場合”などに限られていますので、教材として使われる楽譜を、購入に代えて著作権者の許諾を受けることなくコピーして配ることはできません。
引用文終わり

上記は楽譜コピー問題協議会(社団法人日本音楽著作権協会はじめ関係6団体で構成 違法コピーを防ぐ目的で設立された)ホームページからの引用です。
http://www.cars-music-copyright。jp/index.html

画像が「×」になって読込めない時はツールバーの<表示>→<最新の情報に更新>をクリック又は「再読込み」して下さい

home / up
   / 

home / up
   / 

image inserted by FC2 system