音楽そしてコントラバス・トップ>バシスト控室>ヒロ広場>このページ 空間意識
■もう一つ空間/音について 投稿者:関口@社長があだな
投稿日: 2月19日(月)10時36分39秒 長いといいつつもう一丁すいません。 以前、掲示板で野田さんのおっしゃっていた空間意識のメソッドが
ありましたが、楽器から手が伸びていくような音の飛び方と
宙を見上げたあたりにポッと音が行くような飛び方が感じられます。
(この使い分けを百発百中、いや一発必中に苦心中) ツェッパリッツ氏の演奏を見ると近くで柔らかく、空気伝染や空間の広がり
といったものを感じます。(低音の箱、土台を感じます)
これは実音と倍音の比率、飛ばす意識/方法、そもそものバスらしい音
と言い換えてもよいかもしれませんが。。。 実際にドイツのオケにいらっしゃる野田さんや皆さんの意見をお教え
ください。(みなさんもうまく音が飛んでると思っても指揮者に”もっと”と
いわれて戸惑ったり、狭い部屋で倍音が回って”うるさい”といわれたり、
あまりみなに聞こえてないようでしっかり録音に入っていて尊敬されたり
とかあると思いますが。。。) ■空間の意識 投稿者:奥田@広島 投稿日:
2月22日(木)10時01分09秒 関口さん、皆さん、こんにちは。連続投稿です 。 空間の意識は今から20数年前に感じていました。野田さんのHPを拝見して、初めて文章になさっているものを読んで関心、そして感動したわけです。
僕の場合、調子が良い時は、音色/音量に対する意識が舞台上には無いんです。まるで客席の任意の地点で演奏しているような意識の状態です。 ”遠くに弾き、遠くに聞く。”この野田さんのお言葉で、それまで自分が感じていたものの正体が分かったとでも言いましょうか。
そうすると、例えばオケで弾いていても自分の音が聞こえなくてシャカリキに弾くと言う事がなくなって、様々な場面で音楽的な余裕が生まれます。 ちなみに去年160人のオケで”英雄の生涯”を演奏しましたが、客席の友人は”奥田さんの音は良く聞こえていた。”と言っていました。また、昨年独奏をした時にも、E線のピアニッシモでも、音程感や音色を損なうことなく録音されていました。
野田式座奏の恐るべき効果だと思います。 ■空間の意識、レス 投稿者:野田一郎 投稿日:
2月28日(水)04時22分19秒 関口@社長があだなさん、奥田@広島さん、皆さん今日は。 亀レスです。 関口さんも奥田さんも、もともと空間を意識する能力があったんでしょうね。 アンサンブルの仲間にこの意識がない人がいると大変に弾きにくくなります。
以前、或るアンサンブルで日本最高のオーケストラメンバー(チェロ)と一緒に演奏したんですが、彼は
”バスの音がかすれていてちゃんとなっていない、音量が無い”
と、文句を言っていました。彼は私と並んで弾いていました。
コンサートで、彼が自分の先生、青木十郎氏に愚痴をこぼしたところ、
”そんなことはない、非常に良く通る柔らかくて良い音”
と評価されました。 指揮者には、ホールの後ろあたりで聞いてもらうように頼むしか手はないと思います。指揮者にも遠くを聞けて、オケの一番後ろのメンバーの意識を引きつけて行ける人もいるんですが、少ないです。 奥田さん、フォローありがとうございます。しかし160人のオケの”英雄の生涯”の中で聞き分けられる音というのはすごいです。
先日或るオケのコンサートのトラで弾いたところ、録音技師から同じようなことをいわれました。 ■体と楽器、5弦4弦、空間 投稿者:関口@社長があだな
投稿日: 2月28日(水)09時49分42秒 4)空間意識+5弦と4弦 このレスの組み合わせが非常に私の質問にフィットします。 ー楽器がきちんと鳴っていると、オクターブが違っても倍音構成で錯覚を起こせるー
この使い分けと空間意識とのマッチングが私の今大きな関心事です。(私は近時は4弦のみ使用) 実はここ数年所属の弦楽合奏団で弦楽4重奏、6重奏曲の編曲版をやることが多く(ベートーベン後期など)、編曲は指揮者やトレーナー
(バスの人は残念ながらいない)と相談して決めています。
この経験から、チェロのC線開放と一緒のリンフォルツアンドとかを
弾くと”5弦で弾いてるの?”(自分でも5弦みたいにと思って
弾いている)と聞かれたり、チェロと同じオクターブにして弾いても
(人生相談風) ■倍音構成 投稿者:奥田@広島 投稿日:
2月28日(水)10時18分49秒 野田さん、関口さん、皆さん、こんにちは。 野田さんと関口さんの倍音構成の変化による錯覚。
大変示俊に富んだ内容ですね。 僕のポピュラー系の仲間で、ベースを良く聴いていない人の中には、コントラバスはエレクトリックベースよりも1オクターブ低い音域だと錯覚している人が結構いたりします。(苦笑) エレクトリックベースは高い帯域の倍音が出やすく、アンプで増幅している関係でさらにその特徴が強まります。
この倍音構成をコントロールしてやる意識と実際が身につくと、非常に大きな力になりますね。 ■空間意識、話の中へみなさん 投稿者:関口@社長があだな
投稿日: 3月 1日(木)02時21分03秒 空間意識というとたいそうに聞こえますが、私も客席で聞いているようにというほどの意識は持てていません。(その証拠にすぐ迷いが。。。) そもそもの発端は合奏でのアンサンブルへの疑問から入っています。
それまでも”バスから音がなる”とか”ジャンのジ”で出るなんて耳知識から、指揮者の打点に注目したり、コンマスの弓を見てちょっと早めにつけて弾くなんてことをしていましたが、私たちの団体を指導して頂くゲストコンマスのかたにみっちりしごかれたのがきっかけで意識が変りました。(指揮者無しの演奏会) ”朝早い遅いの遅いって感じ”とか”グリニッジと北京”といった注意→要は弾いているその場であったつもりではコンマスとの距離の分時差がある。ということなのでしょう。こういった注意が、アンサンブルをタイミングのみでやっていた私に距離の概念をあたえてくれました。コンマスの席に音をほうり込むような感じ→セカンド、ビオラ、チェロの主席がいるところに居るような存在感の演出という感じです。 普通のユニゾンのジャンとかドカンはタイミングでけっこういけちゃうのですが、流れの変化や伴奏、場面転換といった中でこれをやるのは結構難しい事です。時にはメロディー以上に伴奏が立体的に弾かないといけない場面が多々あると思うのです。(単なる強弱のみでなく) 三好さんもこのHPの”コンサートホール”の”合わせる”で似たような事を書いておられますが、これも立派な空間意識の一種だとおもいます。 コンマスのところにほうり込んでいる音をその場で普通に聞けば聞こえてくる音とは若干ずれているのでしょうが、”それでいいのだ”と調整して聞いていることの発展形が空間意識につながるというアプローチもありではないでしょうか。ビオラやチェロの後ろの人たちが”おまえ早いよ”とかこっちに影響を受けて前より先行っちゃったりなんてのも空間意識のバーチャル体験ではないでしょうか(彼らは前からの流れ、遅れを意識しなければいけないのですが)。バスにはそういう経験をするチャンスがあるのだと思います。 そしてなんとなく感覚でやっていることは演奏上多々あるのですが、これを明文化してくださる野田さんの影響は非常に大きいです。 ISO9000という国際品質規格がありますが、この中身は行程の分析とマニュアル化です。感覚の”明文化”が演奏の変化につながるのはわくわくします。
むしろドイツの野田さん、九州の三好さん、広島の奥田さん、金沢のバスおやじさん、その他にもたくさんの閲覧者の方がネットのスペースで交流するからこそできるのかもしれません(レッスンとか容易にできないし、見て盗むのもできない)。 そしてこの場を提供して下さった三好さんに感謝。
みなさんどんどん自分の感覚/思いを披露して下さい。
|