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構え方/ポジションの取り方

■体と楽器の関係 投稿者:みーさん  投稿日: 2月18日(日)22時30分36秒
フレンチを手にした今、体と楽器の位置関係を見直しています。
皆さんは何をどのように判断して決めておられるのでしょうか。弓の道と駒との関係を優先させているのか、ポジションと腕の関係なのか、弦楽器をされる方は駒との関係を重視しておられるようですがこれは楽器が大きいだけに相反する事柄ですね。楽器の寝せ方についても判断の優先順位はどうでしょうか。結局は自分にとって楽な構えがよいわけですが、その判断基準そのものは個性を超えて参考になると思います。
image■体と楽器etc。 投稿者:関口@社長があだな  投稿日: 2月19日(月)10時20分09秒
野田さんの掲示板より参りました。 
私はジャーマンで座奏しておりますが、現在横隔膜のあたりに裏板の トップが来ております。背筋がある程度伸びた状態になり、安定感が  感じられるのと、ハイポジションでかがみすぎず飛びつきのブレーキ感が 得られるのが利点と感じております。   この状態でバスいすに両足を下の足置きに乗せるとちょうど右ひざの 内側の窪みに裏板の下の出っ張りがかかり右ひざが裏板の中央  やや右にきます。
image脱力感とは若干矛盾しますがエキストラな体重荷重等 の際に楽器を少し動かたり、コントロールによいと思っています。     
寝せ方は右手の重み感覚を得られる位置を計ったりしました。  
座った状態で楽器を垂直に置き、弓を伸せ、第三者にエンドピンを 持ち上げていってもらうのです。(昔は先生にやっていただいた)  これで左手のネックへの重み感覚と右手の重みが弓の接点で  エキスパンダーのようにバランスしている感じが得られ気に入っています。 この中でここ一番のときに接点に向かって頭を左にやや傾けると  さらに集約していくような感覚があるので頭が右に逃げないように、 楽器の軸と体幹が離れすぎないよう意識しています。   
(楽器の中心線と体が離れすぎないとの野田理論に共感)   
image■身体と楽器 投稿者:奥田@広島  投稿日: 2月22日(木)09時45分01秒
みーさん、皆さん、こんにちは。
身体と楽器の関係にはいつも悩んで(?)います。常により良い状態を探っているとでも言いますか。。。。 僕の場合、基本的には右手と左手のバランスですね。 右手は、不必要に身体を捩じったりかがめたりしないで、弓が駒まで届くこと。 左手も同じく不自然な姿勢にならないで、最低でも指板の端を持てること。 この2点に気を付けています。
image楽器の傾きは、椅子や平台の高さにもよりますので、両腕の重さが自然に楽器に伝わる角度と、両足が自然に地面/平台に接地された状態の高さに椅子の高さを調整し、両者のバランスを取った結果が現在のスタイルになっています。
また、楽器の形状(肩の形、ネックとボディの角度など)も大きく作用しますよね。ですから、身体の個人差と楽器の個体差との相談になると思います。
image■再び楽器と体の良い関係 投稿者:みーさん  投稿日: 2月25日(日)16時55分31秒
皆さんこんにちは。 関口さん/奥田さん先回はご意見有難う御座いました。
関口さんの、頭が右に逃げないようにとはEのダウンで特に気をつけなければならない事ですが、フレンチではかなり有利になると思います。でも気を付けなければならないのは同じですね。奥田さんの右手左手のバランスに関して私は身長172センチですが、駒よりに弓道をつけようと意識するとフレンチでも(それで6センチ得をしても=野田さん)左手のローポジションが少し苦しい。ですからもっぱらハイポジションを心掛けざるを得ません。弦長は105.5センチです。
一方芯の話ですが、野田さんの左膝は楽器の裏にあります。以前私はチェロのように両膝に挟んでおりました。野田さんから体に余分な力が入りませんかとご意見を頂きました。考えて見るに両膝で挟み込んで、然も胸で楽器を受け止めない場合、余分な力が膝を締める為に必要でこれは反省しました。
imageそこで次のように考えました。
先ず楽器の芯と体の芯を完全に合わせる。するとぺグがおでこに当然当たります。そこで首のすぐ左に指板が来るように楽器を10センチ平行移動させます。その位置でのエンドピンに合わせて木片(私のバス椅子の部品でピンが滑り出さないようにする仕掛け)の紐の掛かり方を調整します。とすると右膝は楽器のくびれに入り左膝は裏板の左端に来ます。こうすると自然に楽器は僅か内側を向きます。腰の骨はこの為に僅か左を向きます。ジャーマンならこの状態はE弦で不利ですがフレンチなら不利ではありません。楽器と体は平行なのですが意識は長い長い二等辺三角形でその頂点はA/Dの間にある弓道のように感じます。
image次の問題は足をどこに下ろすかになります。これは一番最後に決めるべきで、楽器の床からの高さ/楽器形状/寝せ方が与件となって、一番しっくり来る位置が決まった後に、その位置にある楽器を膝で支える為には膝がどこに来るべきかを考えれば足裏が来るべき高さと場所が決まる…このように考えて構え方を検討しています。(私にとって楽器形状は今の所決定的要因ではないのがつらいところです、奥田さん) 
この考え方へのご意見をお待ちします。
image■再び楽器と体 投稿者:関口@社長があだな  投稿日: 2月26日(月)12時14分58秒
奥田さん、みーさんさん、みなさんこんにちは。  
私は下記のようにジャーマンでチェロのような格好で弾いておりますが、  膝は左は普通に立て膝、右は少し前に倒し裏板のくびれの下の出っ張りのふちに膝の内側が引っかかるようにしております。  体は意識としては楽器と平行なのですが、楽器の厚みを越えて右手を出している分、ほんの若干右を向いているかもしれません。 
imageしかし一般的なバス的座奏と決定的に違うと感じているのは、胸板や体幹全体が弓の接点、右手の重み、左手の重みの三者に反発する壁となる意識が持てる点です。  
E線やG線は若干苦しいですが、私はE線のダウンで駒よりを弾く際には若干楽器を左に向けてコントロールしたりします。(くびれ越しに右手を出す感じ)ここでは楽器の糸巻きからエンドピンを結ぶ軸がずれなければよいと思っています。
G線の弓先についてはウィーンフィル調です(彼らは樂友協会の女神像間が狭いからかもしれませんが。。)  最初は弓を平行に動かす練習を徹底的にやり、座ると変わる事に抵抗があったり、バイオリン奏者や他の弦楽器奏者が弓を斜めに使うのを真似すると旨く言ったりする事が野田さんの縦振動、サウンディングポイントの説明で明解になりました。  駒側に自然に手が届くのは若干難しく、指板と駒の中央やや下に自然に手が届けばよしとしておりました。(弦高を高めにし、これを早い弓でキックする事で振動を効果的に伝えていると考えていた。今後野田理論の一層の実践やオイドクサ化では要検討多し)  
駒側を弾くときはやや右肩を出してカバーしましたが脱力は難しいし、健康上よくないかも。。。 
imageところで木片。昔ドイツ製で楽器の形をした糸で椅子にむすびつける木片を探していましたがどなたか入手経路をお教えください(チェロ用?)  
image■体と楽器、木片 投稿者:野田一郎  投稿日: 2月27日(火)22時39分07秒
みーさん、関口@社長があだなさん、奥田@広島さん、今日は。
まず私の構え方から。
表板はなるべく体に平行にするが、若干右に回転させています。楽器の右側が体に近くなりますが、多くのバス奏者が一般的なバス椅子に半分腰をかけて座るときのようには回転させません。
その次に一番大事な点です。
駒の少し上辺りの左右の中心を体の中心と合わせます。ネックは左耳のすぐ後ろを通過しています。 左足は膝の内側が裏板にあたりますが、なるべく平行にしています。 また両足はなるべく大きく開いて楽器を体に近づけます。ピアノ椅子は前部の線が直線なので、足を開くほど中心に向かっての復元力が大きくなります。
image■体と楽器、木片 投稿者:野田一郎  投稿日: 2月27日(火)22時39分07秒
さて、皆さんの投稿ヘのレスです。
1)私の場合腕が極端に短いので、(かみさんは足もだ!といっていますが、ひどいもんですね!)”左手も同じく不自然な姿勢にならないで、最低でも指板の端を持”つのは不可能です。
image2)私のシフティングは常に静かなもので、飛びつき、あるいは飛びつきの後のブレーキはありません。  シフティングの速度変化は、境目なしに動き始め、なるべく早く加速、一定速度で目標点の手前まで行き、減速して、やはり境目無く到達。というものです。
腕の重みは常に感じていますが、すとんと落とすようなことはしません。これは下降形(音程での話)に使えないためです。上昇形も下降形も基本テクニック的には同じようにできなければいけないと考えています。
image3)”G線の弓先のウィーンフィル調”は実は理にかなった弾き方と言えます。自動的に弦の伸縮運動に繋がりますから。只ダウンとアップの違いが気になります。
image4)  > 駒側を弾くときはやや右肩を出してカバーしましたが脱力は難しいし、健康上よくないかも 体を1元的に変化させるのは健康的には問題ありません。つまり、この場合では上半身の”前傾””左右のひねり””左右の傾き”のどれか一つなら問題無いということです。 このうち2つの動きをしながら力をかけると体を壊します。
ジャーマン、立奏、の組み合わせはこの3つが重なるうえに力が必要なので、非常に不健康で、私のまわりで既に何人か内臓疾患で死亡しています。もちろんそれが直接の原因だったと言うのは乱暴ですが、原因の一つ、あるいは遠因だと言えると思います。
image■体と楽器、5弦4弦、空間  投稿者:関口@社長があだな  投稿日: 2月28日(水)09時49分42秒
こんにちは。野田さんお忙しい合間をぬって、わくわくするほど沢山の  レスありがとうございます。 
1)楽器と体→シフティング  
たしかに飛びつきというのは不適切な表現ですね。(ハイポジションになるとそんな風に感じてしまう己の未熟) ”前傾””ひねり””傾き”の減少による目標の狙いやすさでしょうか。 (流鏑馬よりもウイリアムテルてな感じですね) 昔、ゆっくりの動作で同じ弦を同じ指で色々な音程幅で往復という練習をしましたが、なにかよいメソッドはありますでしょうか? 週末奏者の私は音程の調子が悪い時は、雑にストンと動かして動きすぎだったなんてことがままあるもので。。     
(とりあえず速度変化を意識しての音階練習上下をやります) 
2)ねじり  
私は現在ジャーマンですが、実は腕の作りが”気を付け”の状態で 体の横に手をつけると肘の裏側が前を向く腕をもっています。 ジャーマンで弾くときは腕の重み、腕の動きの方向性を逃がさない ために若干無意識に内側に腕をひねって(絞って)います。  自然に内側を向くフレンチの強みをここでも感じます。 
image■皆さんへのレス 投稿者:三好 俊典  投稿日: 3月 5日(月)00時07分59秒
皆さん、こんばんは、
関口さんwrote
>しかし一般的なバス的座奏と決定的に違うと感じているのは、胸板や体幹全体が弓の接
>点、右手の重み、左手の重みの三者に反発する壁となる意識が持てる点です。 
また
>バイオリン奏者や他の弦楽器奏者が弓を斜めに使うのを真似すると旨く言ったりする事
>が野田さんの縦振動、サウンディングポイントの説明で明解になりました
関口さんはバスを体全体で受け止めておられるのですね。私には未だ迷いがあります。 重みを主に膝で受け止め、上半身はフリーの感覚を持った方が良いのか、関口さんのしておられる感覚で行くか。(あくまでも感覚上ですが) また斜め弾きを往路復路でどんなきっかけで切り替えているのか、よく解りません。斜め弾きの必然性は野田さんのご説明で何となく解るのですが、
野田さんwrote
>その次に一番大事な点です。駒の少し上辺りの左右の中心を体の中心と合わせます。ネ
>ックは左耳のすぐ後ろを通過しています。
この感覚は私の持っている感覚(長い長い二等辺三角形)と同じかなと感じます。
>両足はなるべく大きく開いて楽器を体に近づけます
このご説明を読むと関口さんのお考えは同一線上にありますね。
>私のシフティングは常に静かなもので、飛びつき、あるいは飛びつきの後のブレーキは
>ありません。
どんな分野であれ、名人と言われる人達の動作は、す早くても静かです。真似したいです。
それに関連して関口さんwrote
>昔、ゆっくりの動作で同じ弦を同じ指で色々な音程幅で往復という練習をしましたが、
>なにかよいメソッドはありますでしょうか? 
同感です。静かなポジション取りのコツと練習方法を知りたいですね。
奥田さんの指板からの弦高は驚くほど低いですね。押弦が楽でしょう。それを可能にしている奏法は頭では理解できます。でも本当に一度見てみたい。音は私家盤CDでお聴きしているのですが。
image■シンクロニシティー脱力 投稿者:関口@社長があだな  投稿日: 3月17日(土)12時48分53秒
ご無沙汰しております。雑記の書道の話おもしろいですね。 私も近時は運動不足、筋肉硬化から”今日は力が抜けないなー”とおもうことがあります。そんな時は腕をひじまでべったり机において住所氏名を書きます。最初は思いっきり力んで書き、二回目は思いっきり脱力して書きます。  これでとても力が抜けたような感じがして、腕の重みが机に感じられます。
雑誌”ナンバー”の3/22号に女子サッカーの選手の記事があり、”一つ一つのプレーを早くしたり、しなやかな動きで一瞬にしてぬくとかには常に筋肉を柔らかくする普段の努力が重要”という話があり、そのコメントととして様々な競技のメダリストが口々に、世界に勝つ前提条件として”筋肉の柔らかさを維持し、それをしなやかに使う事”と答えるそうです。 
以前掲示板で、野田さんと奥田さんの”たとえ話”談義がありましたが、いろいろなところにヒントや万物共通の知恵があるのでしょうね。。
image■奥田さん、第9稿はまだですか? 投稿者:いそべ@福井  投稿日: 3月19日(月)00時01分50秒
みーさん、皆さん、御無沙汰しています。
さて私も含めて皆さんは楽器を身体の正面近くに構える座奏が定着されていることと思いますが、諸事情でたまに立奏することもあると思います。座奏のときは弓の重みが自然に弦に乗るメリットがあると思いますが、立奏のときも弓を楽器の中心に向かって圧力をかけるのでなく、極端な言い方をすると親指側の毛だけが弦に触れるような感じで真下(駒方向)に押し出すようなイメージで弾くといい音がして、全身の脱力もしやすいように感じましたが、いかかがでしょう。。。
image■良い音! 投稿者:奥田@広島  投稿日: 3月19日(月)12時23分21秒
いそべ@福井さん、こんにちは。
奥田@プ/プレッシャーが^^;)@広島です。 僕自身はもう全く立奏は出来ませんが、重力や引力を有効に使うことが野田式座奏の本質の一つですよね。 そして、いそべさんの仰る”良い音”が最も大切だと思います。 暴言かも知れませんが、この”良い音”の追求の前では、奏法や弓の選択、座奏か否かなどはどうでも良いことです。 僕が野田さんに最も影響を受けている部分は、この”良い音”を追求する”姿勢”です。
寄稿文の冒頭でも書きましたが、僕は音色にこそその奏者の良心が顕れると考えているからです。 そう言う意味で、一つのスタイルにこだわることも素晴らしいけれど、もっと色んな事を試して悩んで、でも音楽を多様な意味で楽しむと言う理想を忘れないでいる、ということにも大変な意義があることだと思っています。
そしてその結果、自分はこう言う事をやってるんだよ、こう言う風に考えてるんだよ、こうやって弾いてるんだよ、と語り合うことが、この会議室の意義でしょう。
image■アイロン 投稿者:みーさん  投稿日: 3月19日(月)20時20分39秒
いそべ@福井さん、皆さん今晩は。
私は初心者で微妙な話には程遠いのですが、最近目にしたお話をします。ある座奏をするプロが立奏するコンサートがありました。それを見ながらシーツにアイロンをかけるしぐさを連想しました。シーツをしごき伸ばすように弦をしごくのです。
DNの始め、弓先は駒より下にあります。比較、弓の接点は高めです。そこから弾いて行くに従って正面から見て弓は弦に直角に近くなります。そうなりながら接点は下がってゆくのです。そのさまがアイロン掛けを連想させるのです。弓の毛はアイロンほどべったりはついていませんが、でもかなりの面積接触しています。
その人はほぼ、磯部さんの仰るような弾き方でしたよ。
image■ポジションについて。 投稿者:奥田@広島  投稿日: 5月 5日(土)09時05分59秒
>野田さん 今回の原稿は本当にありがとうございました。核心に触れる部分でしたので、随分助かりました。
さて、みーさんの日記でポジションのお話がありましたが、僕はフレーズで要求される音色とかキャラクターによって選択しています。 それぞれの弦が持つキャラクターによって、どのポジションで弾くのが相応しいかを、何種類かのポジション、指使いで弾き比べて決めています。
皆さんはどうなさっていますか?
image■ポジション 投稿者:関口@無免許  投稿日: 5月 5日(土)14時43分59秒
こんにちは。 
私は早い細かいパッセージの時は移動の少なさに  加え、ポジションチェンジのタイミングが偶数拍か奇数拍かを  (そのパターンを揃えるよう)判断基準にします。  なんとなく動きやすさがちがいます。  長いフレーズやメロディックなところは同じ弦でなるたけ行くように 
あと昔とあるドイツ人の指揮者のかたに”pizzはなるたけ長い弦で”  といわれ、なるほどと思って採用していますが、  論理的裏付けは不明です。  
image■ポジション 投稿者:みーさん  投稿日: 5月 5日(土)18時46分26秒
奥田さん/関口さん/皆さんこんにちは。
ポジション選択の話題について早速の反応有難う御座いました。
1)音色 2)弦のキャラクター 3)弦と指の移動の形 4) フレーズ感 5) 強/弱拍による選択 
お二人のポジション選択基準をみて、よく考えながら演奏しておられる事、感心しました。私は4thあたりばかりで3rd前後のない中抜け押弦でした。ポジション練習は今後継続して練習せねばと意を新たにしています。この会議室は本当に刺激を受けます。
image■ポジション 投稿者:野田一郎  投稿日: 5月 6日(日)20時01分57秒
みーさん、奥田さん/関口さん/皆さんこんにちは。
みーさん: >1)音色 2)弦のキャラクター 3)弦と指の移動の形 4) フレーズ感 5)強/弱拍による選択 
それに加えて、あるパターンの再使用時の変化、つまり、再現部で再び出てくる場合とか、長調から短調に変化した場合、エコー効果の場合等々、全てオリジナルと関係付けて、そのまま、又は変化させます。
image小さな一例: エックレスのソナタの第1楽章、9小説目の3拍目から1小節半。 3段階(2拍分ずつ)の進行系です。 それぞれ前半は八分音符2個のインターヴァルで、B-E(増4度:不安感、疑問感)、Cis-F(減4度、明瞭間)D-G(完全4度、解決、決定、安定感)という進行があり、後半は八分音符プラス16分音譜2個の組み合わせで上昇型メロディが2回続き、3回目は後半が延びた上16分音符の進行方向が下降に変わり、一層結果感を出しています。
前半3回のインターヴァルはそれぞれ2弦間の1ポジションでとります。 後半は1弦上でとり、シフティングな8分音符の後にします。
パターン間の接続は、第1- 第2が3-2の1ポジション2弦間、第2 - 第3が3-1の1ポジション2弦間、という具合です。
プロでもこの部分を考えずにとっている人が多いのですが、音程が不安定で、時代に合わない無駄なポルタメントも付きやすく、音形構成もはっきりしません。
image関口@無免許さん: >ポジションチェンジのタイミングが偶数拍か奇数拍かを(そのパターンを揃えるよう)判断基準にします。なんとなく動きやすさがちがいます。  ここではタイミングにそろえる場合、わざとずらす場合もありますね。 体の無駄な動きを減らす目的で、下降形では4-4-1にするという場合もあります。こうすると手の平が弦に平行に移動し最短距離になるうえ、無駄な手首の回転が起きにくくなります。
>長いフレーズやメロディックなところは同じ弦で ディッタースドルフの第2楽章で曲の半ばまでほとんどD線で弾いた経験があります。おもろいです。
>”pizzはなるたけ長い弦で”  弦の長いほうが弦の中に残るエネルギーが大きくて残響が長くなりますね。 フィギュアスケートの回転を速くする場合腕を体に引きつけるなどして回転半径を小さくしますね。これと同じメカニスムだと思います。
同じような状況は、1弦上(当たり前か?)で速いグリッサンドをすると、上昇形では自動的にクレッシェンドしますが、下降形ではデクレッシェンドです。
image奥田@広島さん: >今回の原稿は本当にありがとうございました。核心に触れる部分でしたので、随分助かりました。
いよいよ佳境ですね。いつもながら奥田さんの文章によってこちらの考えも整理できます。感謝してます。
>何種類かのポジション、指使いで弾き比べて決めています。
すでに意見が出尽くしたようで、皆さんの考えの深さに感心しています。プロでもあまり考えずに弾いている人って結構多いんです。
imageもう一つ、私のポジション、指使い決定要素について。
どんな音形でもその中の音、一つ一つ有機的な関連があります。音形同志もそうです。 音の大きな跳躍が或る場合など、見当をつけて飛んで、あたるも八卦、あたらぬも八卦、ではこまります。必ずその中継点の音を有意義に連続させて取る必要があります。もちろん本番の時は、すでにその跳躍が感覚として身に付いてなければいけないんですが、練習の時はしつこいまでに中継点の音取りをします。 トマムでは、エックレスの例(前述)とカルメン変奏曲を例に説明できると思います。
image■中継点 投稿者:みーさん  投稿日: 5月 7日(月)23時13分48秒
野田さん、こんばんは。ポジションの敷衍説明有難うございます。
>音の大きな跳躍が或る場合など、見当をつけて飛んで、あたるも八卦、あたらぬも八卦、
>ではこまります。必ずその中継点の音を有意義に連続させて取る必要があります。
☆少し具体的なご質問ですが、1弦Fを弾き、次に2弦Eを1で押さえる必要がある時、指板上で3全音の距離がありますが、これを練習時に中継する音はどう取れば良いでしょうか。2弦Dを次に押さえるのならFを押さえながらも同時に4で2弦Cを軽く取り、その1音上だと思えば出任せにならずに済みますが、3音離れている時は何を頼りにすればよいでしょうか。 たまたま今やっているエチュードから無理難題を吹きかけられているもので困っています。 よろしくお願いします。
image■中継点 投稿者:野田一郎  投稿日: 5月28日(月)15時14分52秒
>1弦Fを弾き、次に2弦Eを1で押さえる必要がある時、指板上で3全音の距離がありますが、これを練習時に中継する音はどう取れば良いでしょうか。
>2弦Dを次に押さえるのならFを押さえながらも同時に4で2弦Cを軽く取り、その1音上だと思えば出任せにならずに済みますが、
>3音離れている時は何を頼りにすればよいでしょうか。
imageレス遅くなって申し訳ありません。 実はみーさんの御質問を理解するのにちょっと時間がかかっちゃったんです。 私は高いほうの弦から、第1,2。。。というように数えているんですが、みーさんは低いほうから数えてらしたんですね。やっと謎が解けました。 この例ですと、2弦Dを実際に取り、そこから4の指でEを押さえます。そのEに1(または2)の指を移動させれば良いのです。 つまり、どんなに距離のある音程でも2度ずつの組み合わせが増えるだけで基本的には同じこと、と言うわけです。
これを視覚と体感でゆっくり練習後、徐々に加速します。
image慣れてきたらまたテンポを落として今度は長距離2音間の間引きを行います。 間引き作業が、石橋の木枠、又は土の支えを取り除く作業に似ているんです。 間引きを推し進めれば最後には長距離2音の静かなシフティングが待っています。
imageいずれにしてもポジション移動の動力は上腕で、腕の高さと角度のみで行います。 肩の関節の回転角を考えて下さい。そして移動の始まりは静かに発進して、定速にし、目的地の手前で静かに減速します。ショックのない車の発進、停止を想像して下さい。
image■再び中継点 投稿者:みーさん  投稿日: 5月28日(月)17時42分14秒
野田さん、皆さん、こんにちは。
>レス遅くなって申し訳ありません。
>実はみーさんの御質問を理解するのにちょっと時間がかかっちゃったんです。
☆えっ。 (絶句)  失礼しました。 先日G弦を発注するのにE弦と書いて送って見たり、老人性何とやら_?。 既に始まっているのかしらん。
>どんなに距離のある音程でも2度ずつの組み合わせが増えるだけで
>基本的には同じこと、
はい、2度ですね。 有難う御座いました。
>これを視覚と体感でゆっくり練習後、徐々に加速します。
はい。
>慣れてきたらまたテンポを落として今度は長距離2音間の間引きを行います。
はい。
>ポジション移動の動力は上腕で、腕の高さと角度のみで行います。
>ショックのない車の発進、停止
肘の関節は意識しないと言う事ですね。 ときどき雑記にも書きましたが、エチュードを始めてから随分指板上の見晴らしが良くなりました。 そのエチュードが練習者に何をどう教えたいのかは良く判りますので、私の師匠のお教え通り毎日練習します。
image■三度、中継点 投稿者:野田一郎  投稿日: 5月31日(木)16時21分24秒
前回のレスで不適切な表現(!!!!!)があったので、もう一度。
>どんなに距離のある音程でも2度ずつの組み合わせが増えるだけで ここで言う2度は、2弦間の完全5度や、3弦間のオクターブetc。も含みます。 (だから、表現が良くないっつうわけです。_(。_。)_)
>これを視覚と体感でゆっくり練習後、徐々に加速します。 ここでの加速は、シフティング内の加速、減速ではなくて練習の基本テンポのことです。
>肘の関節は意識しないと言う事ですね。
関節は全部柔らかく。アクティヴはなくてパッシッヴな微々たる動きです。関節の遊びといったら良いかな。 最初は指板に鉛筆で印をつけて、全指がそれぞれの位置を保つようにし、ポジション移動では全指が平行して動くようにします。視覚で確認してください。体が覚えたら、目をつむっていても動きが手に取るようにわかるようになります。
各指同志の間隔は常に一定距離を保ちます。もちろん音程が上がるにしたがって狭くはなっていきますし、オーケストラポジションから親指ポジションに移る時と、(1、2,4)から(1、2,3)に移るときは例外です。この場合は各指が移動範囲内でそれぞれ等速に運動するように心がけます。
image■四度、中継点 投稿者:みーさん  投稿日: 6月 2日(土)10時25分50秒
野田さん、こんにちは。
>ここで言う2度は、2弦間の完全5度や、3弦間のオクターブetc。も含みます
☆ いえいえ、理解出来ておりました。 私のご質問も同様の意味を含んでおりました。
>>これを視覚と体感でゆっくり練習後、徐々に加速します。
>ここでの加速は、シフティング内の加速、減速ではなくて練習の基本テンポ
>のことです。
☆喩えて言えば、水面に平たい石をちょんちょんと飛ばす、あの感覚ですね。 最初はゆっくりポジションを長2度で尺取虫して行き、(この際、音を小さく出して確認した方が良いのでしょうね)そのうち<平たい石ちょんちょん>のイメージにして、最後は水面に触る事なくいきなり目的地へ飛ぶけれども、静かに移動できる事をイメージする、このような理解で宜しいでしょうか。
☆ 更にご質問、この習得過程で長三度をイメージするのは如何でしょうか。 最初のご質問に立ち返って、E弦Fから長三度上のE弦Aを1で一旦押さえて(この間の意識もGに途中下車しない)同時に4でA弦Eを押さえれば如何でしょうか。 その次の音次第で4で押さえたE音を弾きながら1や2を使って押さえ直すというのは如何でしょうか。
image■5度、中継点 投稿者:野田一郎  投稿日: 6月11日(月)06時16分04秒
みーさん、今晩は。 レス遅くなって申し訳ありません。
>☆喩えて言えば、水面に平たい石をちょんちょんと飛ばす、あの感覚ですね。
う〜〜〜〜〜ん?
>最初はゆっくりポジションを長2度で尺取虫して行き、(この際、音を小さく出して確認した方が良いのでしょうね)
尺取り虫進行では、手のフォルムを変えないやり方と変えるやり方があります。 始めのうちはフォルムをしっかり覚えるために変えないほうが良いでしょう。 しっかりと音を出して下さい。これは楽器の裏板を(もちろん全体も)振動させ、その時の弦のエネルギーを左手で感じるためです。
>この習得過程で長三度をイメージするのは如何でしょうか。
正解です。 これは結局石橋が完成して、木枠を取り外している最中の状態ですね。 こうしてどんどん跳躍部分を大きくするわけです。
image■松脂 投稿者:みーさん  投稿日: 6月14日(木)17時59分36秒
野田さん、レス有難う御座いました。
全音→長二度→長三度と飛距離を伸ばす事、やって見ます。 上向はやり易いですが、下降はいつも下がり足りません。長距離下降は特に。
image■エレベーター? 投稿者:野田一郎  投稿日: 6月15日(金)08時24分23秒
みーさん、今晩は。
>上向はやり易いですが、下降はいつも下がり足りません。長距離下降は特に。
シフティング時のポイントをもう一度書かせて下さい。追加次項もあります。
1)腕を一体に感じ、上腕からの動きでシフトする。
2)シフトは勢いをつけずに、常にスピードをコントロールする。
3)2)で発進と停止はショックが無いようにゆっくりと。
4)あくまで腕の角度(高さ)の変更を基準に考える。親指ポジションに移行するときは腕の前後の動きも忘れないように。
5)上半身をほんの少し前後に動かす。上行形では体を後ろに、下降形では前に。エレベーターのバランスウエイトのごとく、シフティングと同調させる事。
6)使用する全ての指が常に弦を軽く押し下げていて、各指の間隔が均一に変化するように。
7)指の切り替え、追加、減少の場合、弦に対して指が静かに離着するように。
image練習時のアイディア:
1)親指ポジションなどの高音に上昇する場合、終着点を終着点と考えない。つまり終着点を最初にとり、その後出発点までグリッサンドでゆっくり下降する。これを何回か繰り返すうちに、繰り返しを少しずつすばやく行うなうようにする。前回の下降形と次回目の下降形の間隔を少しずつ短くするわけです。下降は常にゆっくり。
2)メトロノームを使い、静かにシフティングさせながら体各部の緊張点を探し、これを緩める。
image199■裏板 投稿者:野田一郎  投稿日:10月30日(水)22時56分23秒
imageいそべさん、こんにちは。
imageフレンチでワルツ、できますでしょ?ね。
image楽器演奏時の意識の持ち方には色々方法があります。
その一つが裏板です。
image別のもあげてみましょうか?
1)体が水のいっぱい入ったゴム風船になったつもりで、演奏。
2)表板と裏板の間を振動が行ったり来たりしているとイメージし、それがバスケットボールのドリブルで手を低くすると加速するのと同じ様に。
まだまだ色々あります。
image200■水風船 投稿者:みーさん  投稿日:10月30日(水)23時54分55秒
image野田さん、こんばんは。いつも有難うございます。
お陰様で右手も左手も随分楽に構えて弾けるようになりつつあります。
昔から比べると、脱力が少しわかってきた感じ、逆に以前は兎も角
力一杯弾いていたようです。
今は裏板のイメージに取り掛かっているところです。
所で
>1)体が水のいっぱい入ったゴム風船になったつもりで、演奏。
これは、どんな意味で、どういう状態を避けようとするアドバイス
でしょうか。よろしくお願いします。
image201■水風船の説明 投稿者:野田一郎  投稿日:11月 1日(金)17時34分48秒
imageまず出所から。
たしか、今夏、関口@無免許さんが、”自然体のつくり方”で読んだということで教えてくれたんです。
それで私も芸大時代に受けた体育の授業で同じことを習ったのを思い出したというわけです。
芸大の授業は野口三千三(みちぞう)さんともう一人の女性の先生が担当してたんですが、
”自然体のつくり方”の著者、斎藤孝氏も同様の方向性です。
image人間の体は、液体です。肉にしても骨にしても、皮膚(ゴム風船)の中に入れた水のように浮動しているんです。血液、リンパ液などの本当の液体も大量に入っています。
image演奏中に脱力するには、この水風船が”タポン、タポン”としながら床に降りきっている感じを想像し、自分の体があたかもこの水風船であるかのようにイメージするわけです。
すると、腕にしても他の部分にしても、塗れた布団のようにだら〜〜〜と重くのし掛かります。
実際に他人の腕を持ち上げた状態で、その人に腕に少しでも力を入れさせると腕は軽く感じられます。
反対に脱力させるとその腕がずしっと重くなります。
image脱力と呼吸を上手く使うと、跳び箱から頭を下にして床にずり落ちても、痛くありませんし、ケガもしません。反対に脱力できてないと大変危険で、首の骨を折って死に至ることもあります。
子供や酔っ払いがケガをしにくいのと同じです。
imagehttp://home。arcor。de/ichironoda/index.html/
image202■痩せ目の私なら水枕のイメージ 投稿者:みーさん 投稿日:11月 2日(土)19時31分39秒
image”タポン タポン、デレン”ですね。{ダラーー}ですね。
弾いてゆくに従って、つい力が入ってきますが、フレーズの切れ目ごとに気を取り直しています。
image弓も取り落とさんばかりやっと指の間に止まっている、と言う感じを心掛けています。こうすると一寸長めの曲でも疲れません。
image■手の甲もより左向きに 
投稿者:いそべ@福井支部 投稿日: 1月 8日(水)23時29分38秒
image続いて失礼します。 最近、フレンチの持ち方を少し変え、中指を人指し指と同じような形にして人指し指に添え、中指が毛に触れないように、比較的浅い持ち方にしました。 こうすると、弓の左右の動きに指が対応しやすくなり、(人指し指1本から中指を加えた2本が対応)よりスナップが効きやすくなり、とてもいい感じです。
image■脱力、手のひらの向き、バス椅子 
投稿者:野田一郎 投稿日: 2月22日(土)23時25分15秒
image本多(ハオハオ)さん:
>これで充分な機能が備わっていると思います。
>だけで使用すれば、足を地に付けた奏法も可能です。
imageこの方法はいいですね。 私もいずれこうしたいのですが、ピアノ椅子の脚を長くしたときの歪み対策を考えています。折り畳み式にもしたいし、筋交いも入れたいし、というわけです。足台と椅子の連結は私の場合は必要です。教会の石の床は土足で歩く部分ですから砂、土だらけになります。そこにフェルトというのはどうも。
日本の屋内用でしたら本多さん方式で充分ですね。
imageいそべ@福井支部さん:
手首の関節はもともと”おいでおいで”方向に動きやすく出来ていますので、手のひらを少し左に向けると運弓がスムーズになります。 その後慣れたら、今度はどの指も均一に柔らかく弓に接するように、再び手の甲を弓に平行にしてもスムーズに動きます。 人差指、中指側に重みをかけるのは、始めのうちは良いと考えています。腕全体のねじれを利用して圧力を増やすのに有効ですが、指の柔軟性を失なわないようにする必要があります。
image>ここぞという音を出すには、力を入れるのではなく、逆に力を抜くことが大切
御意!
逆に音源の遠さを表現するときに、手自体を硬くする方法があります。
http://home。arcor。de/ichironoda/index.html/
image■左手。りょうさんの御質問に 
投稿者:野田一郎  投稿日: 4月 4日(金)00時31分41秒
imageりょうさんの御質問にお答えします。
”指を立てて指先で押さえるか、腹で押さえるか”、がテーマです。お断りしてませんが、転載をお許しください。
imageりょうさん:
左手で押弦するとき、指先でなく、指の腹でと書かれてありましたが、今まで努めて指先を立ててくっきりした音を出せるようにしてきました。腹で押さえると丸いといえば丸いのでしょうが、音の輪郭がぼやけたような音になるような気がしますが、これも積み重ねで改善できるのでしょうか。ことにピチカートが殆どのジャズベースの場合これは重要な課題と思うのですが。
imageみーさん:
私も指の腹で押さえているのですが、弦が逃げにくい上に力が不要で樂です。それでも人差し指と小指にはしっかりタコが出来ています。(何故中指に出来ないんだろ?)
image野田:
みーさんが書かれた通りです。脱力が楽になります。
image”警官と泥棒”
2人組になって、役割を交替しながら体験してください。警官が泥棒を逮捕しようとして、左手で相手の腕をつかみます。このとき、
1)指を立てて指先でつかむ。
2)手のひら全体で包み込むように(指を立てず)ゆったりとつかむ。
の2つの方法を試すと、
1)ではどんなに力を入れても逃げられるのに、
2)では少ない力で捕まえられます。
”指先押さえ”では接点の中心から接している部分の外周までの距離が、”指腹押さえ”にくらべて小さくなります。ということは回転モーメント(この場合はブレーキとして働く)が小さいのです。ですから弦が逃げないようにするためには余計な力が必要になります。
image音響面:
弦楽器にとって弦は振動エネルギー源、ボディは増幅箱、です。
弦の振動をボディに移動(伝達)するのですが、弦のどういう動きが伝わりやすく、ボディを動かすのに有利かというと、弦長方向の動きなんです。伸び縮みの方向です。これはドイツの音響物理学者(他にもタイトル多く有)ヘルマン/フォン/ヘルムホルツが発見した振動で、日本人音響物理学者が追試で写真撮影に成功しています。このヘルムホルツ波は弦の両端の押さえ(圧力)が小さいほうが発生しやすいんです。これは宮崎大学の窪寺昌一助教授(電気電子工学科電気エネルギー工学)から教えてもらいました。窪寺さんもコントラバス奏者です。つまり弦を押さえる圧力が小さいほうがボディが鳴りやすいわけです。
image極端に言うと弦が指板から離れてもいいくらいです。さらにネックの角度がボディに近いほうが圧力が減るので有利です。 オールドの楽器に比べて最近の楽器は音量を増すために角度を大きくとっていますが、これは間違いで、買えって鳴りにくくなるわけです。 ヘルムホルツ波を意識して、指を少しスクロール側に倒すようにしてやると一層弦の芯を捉えやすくなります。 反対に指先で強く押さえると、遠くでは輪郭がぼやけ、弦だけが膨らんでぶわーーんという音になり、実際の鳴りは遅くなるうえ、音程、音の芯にも悪影響が出ます。
imageいずれにしても楽器は遠鳴りが大事です。近くで蚊の鳴くようなちりちりした音が遠くで柔らかく鳴り響く、ということはママあります。 楽器の物理的メカニスムはクラシック、ジャズに関係なく、自分の目的の音質を、効果的に出すのが目的です。
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image■ご指導有難うございます 
投稿者:りょーさん 投稿日: 4月 4日(金)00時58分08秒
imageわざわざ野田先生にご指導いただきまして、有難うございます。
気づかされたことの一つに、今まで自分の音が客席からどう聞こえているかということを、考えていませんでした。楽器に近い自分の耳が一番頼りになると思っておりましたが、”いずれにしても楽器は遠鳴りが大事です。”とのご指摘、んーんとうなってしまいました。”つまり弦を押さえる圧力が小さいほうがボディが鳴りやすいわけです”という段でも。
image 野田先生のホームページ詣でが始まることになりそうです。今後ともよろしくお願いします。
image■私もご質問 投稿者:みーさん  
投稿日: 4月 4日(金)12時53分04秒
image泥棒と警官のお話は解り易いですね。
指を指板から浮かせ気味にしてみることもありますが、本当に浮かせてしまうと音になりません、遠くではちゃんと音になるものかどうか不安で、やはりそこそこの圧力を使ってしまっているというのが現状です。これは言葉だけでは解りずらいので、次にお会いした時にそのコツを盗みましょう。
image私もご質問があります。
弓の毛替えの頻度をどのように決めたら良いでしょうか。どのような兆候が出た時が替え頃なのでしょうか。
image今私の弓は、時々すっと食い付きが抜けるのです。そんな時は雨の日のブレーキのように”するする”と滑る感じです。それかと思うと引っ掛かって一瞬音の出が遅れたりします。サルコーにしてから松脂はあまり付けません.3時間の練習(1.5時間*2日)に一回、1往復半こすります。 それで十分で、むしろその方がスムーズな音になります。(松脂、減りませんね)最後の毛替えは年末ですから丸々3ヶ月、毎日練習しています。毛替えは未だちょっと早過ぎるかなと思う一方で馬の毛のささくれがなくなって来ているのかな、余り良くない毛に当たってしまったのかなと思ったりです。その時の毛の質によっても毛替えの時期を変えるべきだと思いますが、その時期を知る為にも兆候の現れ方を知りたいと思います。昔は機械的に一年に一回定演の前と決めていました。(当時は今と違って弓奏はあまりしなかったなぁ)
imageそれと、毛替えに出す時に何か職人さんにコメントした方が良い事などはありますか。サービスの心算なのか毛を沢山張ってくれる職人さんもいますが、むしろ少なめの方が弾き良いのではないかと思うのですが、如何でしょうか。
imageもう一つ最近迷っていることがあります。
左の親指ですが、最近親指をネック裏に当てる必要を余り感じなくなりましたが、親指の居場所に困っています。ネック基部では親指がポジション検知器の役目をしますから定位置に居なければなりませんが、それ以外では指を外してじゃんけんのパーの形のままでも良いような気がしています。その方がビブラートを掛け易いのですが、いけないでしょうか。
image畑中さんのCDを手に入れました。文章から予想した通りの素晴らしい音を出す方でした。
image■りょうさん、みーさん、 
投稿者:野田一郎  投稿日:4月 5日(土)03時56分57秒
image今日は。
りょうさん:
>自分の音が客席からどう聞こえているか
image実際には絶対に自分の音を聞くことは出来ませんね、同時に2箇所に存在できませんし。また演奏中は身体にも振動が伝わり、鼓膜、三半規管、さらにそこからの情報を処理する脳も振動しますから、実際の音とは違った音が聞こえているんです。 私はドップラー効果の説明をして生徒に理解してもらってます。それでも、”そば鳴り”と”遠鳴り”の差は体験できます。
image複数の奏者が交替でいろいろな弾き方のパターンで演奏、聞きあうのです。必要なのはなるべく大きな空間(ホールなど)と、弾き方パターン一覧表です。 聞く場所は、奏者の近くから遠くまで距離を変えてみます。
image弾き方パターンは、
image1)脂の種類、量、
2)弦の種類、
3)楽器の調整(楽器製作者などに居てもらえるとその場で変化を聞けます)
4)運弓速度、
5)弦の接点(駒からの距離)
6)弓の角度、
7)弓の圧力、
8)毛の量(ベッタリ付けるか傾けて毛を減らすか)
9)座奏、立奏、
など色々に組み合わせられます。子音と母音のバランスについても注意してください。
imageみーさん:
本に浮かせてしまうと音になりません、
image楽器、弓、調整などにもよりますが、ホンの僅か浮いていてもしっかりと柔らかい音が出ます。 A 線のEでフラジオレットから少しずつ指の押さえを強くしていくと、良い体験が出来ます。大事なのは左手の指と弓の圧力のバランスです。 左手指の弦への接点、弓の弦への接点、この2点の距離を離すような気持ちで弾いてみて下さい。実際には位置は変えませんが。
image指の運動トレーニングのためには指にしっかり力を入れて弾くことも必要でしょう。
image>どのような兆候が出た時が替え頃なのでしょうか。
新しい毛は伸縮が自由過ぎて楽器を鳴らしきれません。長く弾いていると、今度は弾力性が少なすぎて切れ易くなります。
また引っ掛かりが悪く、松脂を多めにすつけたくなり、松脂をつける頻度も上がります。弾いた量が少なくても経年変化で弾力が落ちたりもろくなったりします。
私の場合は毎日仕事で弾いて、1-2ヶ月というところでしょうか。
松脂は御存知サルコー/ライトですが、毛の調子の良い時は1週間から10日に一度、少なめにつけるだけで充分です。
毛の量は好みですが、私は少しだけ少なめというのが好きです。
これは趣味の問題で経験を積むしかないようです。
image>最近親指をネック裏に当てる必要を余り感じなくなりました
image私はヴァイオリン奏法のようにネックの背部中心線より自分よりにずらして弾いています。このほうが脱了でき、圧力も充分です。
脱力のために親指を外して練習奏法方もあるくらいです。
image>その方がビブラートを掛け易いのですが、いけないでしょうか。
弾き方はあくまで個人的なもので自分の音楽が出来れば何でも有、と考えて居ます。先日もほとんどレッスンに来ない副科の生徒(ギター専攻)の中間試験で、直前にレッスンしました。レッスンには来ないものの一人で試験に向けて練習していたようで、弾き方や形は無茶苦茶でしたが、出てくる音と音楽は中々良かったので、何も直しませんでした。
image>畑中さんのCDを手に入れました。文章から予想した通りの素晴らしい音を出す方でした。
御意!
image■質問ですが。。。 
投稿者:ひかる  投稿日: 5月18日(日)15時19分45秒
image弦バスの音が小さくて悩んでいます。それにピッチも悪いです。どうしたら良くなりますか??
image■バスの音とピッチ 
投稿者:みーさん  投稿日: 5月18日(日)20時10分33秒
imageひかるさん、初めまして、いらっしゃい。
もう少し状況をご説明頂くと、とんちんかんな返答にならずに済むとは思いますが、取りあえず想像しながらご返答を試みます。
image弦バスというからにはウィンドオーケストラに所属しておられるのでしょうね。 総勢何人のオケでバスは何人でしょうか。一般的にはウィンドオケでバスの人数は少ない傾向がありますね。その意味ではバスの音が小さいのではなく、他の楽器群のトータル音が大きいのだと思います。そんな時、いつも無理して大きな音を出そうとすると自分自身の音楽性に悪影響を残すと思いますし、リズムも遅れがちになります。ですからフォルテではちょっとだけ頑張るという程度に止めて後は普通に弾くしかないと思います。指揮者は全体のバランスという観点から物を言いますからつらいですよね。但し響かせ方には工夫があります。私はほんの門口に立っているだけですが、弓の使い方/弓を置く位置/pizzをはじく位置などに工夫を加えることで変わってきます。一口には言えませんから”ロビー”内の”リンク表”の”Ichiro Noda's HOME PAGE”をクリックして参考になさって下さい。
imageピッチに関しては楽器の問題、腕の問題に分かれると思います。大昔、学生時代に弾いていた団の楽器はメンテが悪く、弦も切れるまで使っていましたからピッチも悪かったです。もし団の楽器を使っているのなら予算を出して貰って修理工房でメンテされたら如何でしょうか。 腕の問題は大多数のバシストが弦の長さの故に悩んでいる事です。私もそれ以上に悩んでいます。このHPの”資料展示室”内”ヒロ広場”の”構え方/ポジションの取り方”での書き込み記録が参考になると思います。また前出の”Ichiro Noda's HOME PAGE”をご参考にされて下さい。 私が今試みているのは、兎も角も目でポジションを確かめないこと、目に頼るといつまでたってもポジション感覚が身につきません。左手(肘)の感覚を磨くことが急がば回れではないかと思います、そして頭の中で常にポジション配置を思い描いておくことです。
imageもし返答の切り口が悪かったらご遠慮なくご質問を変えながら何度もやってみて下さい。 心行くまでやりとり出来るのがこの会議室の良い所だと思っております。
image■音量と音程 
投稿者:たじくま@三鷹  投稿日: 5月20日(火)16時15分30秒
imageご無沙汰しております。たじくまです。今は大学のオケで弾いています。
image>ひかるさん
初めまして。私も1年前まで高校の吹奏楽で弾いていましたから、なんとなく、その感覚はわかります。(違っていたらごめんなさい。)管楽器はある程度ですが音程が定まっているので、管の人たちからすると、弦の音程の難しさをまずきちんと理解していないように感じます。そのせいで、きつく言われたりするとかなり、気落ちしました。かといって、あまり気にしすぎたり、熱血になったりすると、音楽から離れてしまいます。私はそうでした。
image本題に入りますが、音量に関しては、みーさんと同感です。過剰な音量は必要ないと思います。音量を出そうとして力んでいると、音はより小さく、より汚くなります。 それを避けるために、普段から力を抜いて、弓で弦をとらえるのではなく、楽器の裏板をとらえるようにすると、よく響くいい音になるように感じます。 弦をどんなに振動させても、裏板を鳴らせていないと、音は浅い、小さい音になります。 裏板を鳴らせるという意識だけでも、音質/音量は変わってきます。
imageまた、楽器の問題は非常に大きい問題です。せめて駒の周りだけでも、きちんと調整されていればかなり違うはずです。駒が曲がっていたり(テールピース側が平面でない駒)とか、弦高が異様に高いとか、弦の通る半円が半円でなかったりとかすると、どんなに工夫しても楽器は鳴りません。調整するのに確かにお金は掛かりますが、それに見合う効果はあります。私の経験上、学校の楽器で駒がきちんと整備されている楽器は稀でしたが、これは憂慮すべきことと思います。
image最後に、是非ともこれを付け加えておきたいのですが、きちんと調整された楽器で、楽器を裏板まで鳴らすことができれば、音程もよくなります。もちろん、それで努力しなくて良いということにはなりません。ですが、調整されていない楽器で、無理に音量だけを追求して、音程が悪いと嘆くことは、この上ない理不尽の一つだと思います。 楽器が鳴ると音程がよくなるということの理屈はよくわかりませんが、ヴァイオリン職人の佐々木 朗氏のホームページ、または彼の著書”弦楽器の構造とメンテナンス”で説明されていたと思います。
imageみーさんの仰るとおり、気が済むまで何度でも、ご質問ください。私もできる限り答えたいと思います。
image■失礼しました 
投稿者:たじくま@三鷹  投稿日: 5月22日(木)15時28分03秒
image下に引用した本が間違っていました。正しくは ”弦楽器のしくみとメンテナンス” です。ここに深くお詫びします。
このホームページからもリンクがあったと思いますが、佐々木 朗氏のホームページにある”マイスターのQ&A”というところの 99.と149.に書いてあることが私が言いたかったことです。他にもとてもおもしろいことが書いてあります。是非一度ご覧ください。
image■いえいえ 
投稿者:みーさん  投稿日: 5月22日(木)18時26分03秒
imageたじくま@三鷹さん、こんにちは。 ひかるさんへのコメント助太刀、ありがとうございます。 本の名前、ご指摘がなかったら気付きませんでしたよ。 先日楽器屋さんで佐々木さんの本を見かけたので買おうか…いや次の時に、と 代わりにバイオリンの弾き方の本を買ってしまいました。 バスの参考になる記述があるに違いないと…。
image■消息? 
投稿者:みーさん  投稿日: 6月17日(火)00時08分05秒
imageやがて一ヶ月、ひかるさんはその後どのように試みられているでしょうか、気になります。

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