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体力維持のすすめ 2

次は筋力の維持について。
筋力トレーニングと言えばボディビルを連想するが、目的が異なる。ボディビルはある種のシェイプアップつまり美容的要素がある。ここで目指すのは、1)内蔵に負担を掛けない望ましい日常姿勢の維持、2)自然から与えられた基本的な動作が軽快且つ確実に出来る能力の維持、に限る。前に述べたが腰痛・肩凝りは、その部分の筋力の衰えから来る事が多い。また頭が真っ直ぐ背骨の上に乗った姿勢を維持出来ないのは体幹の筋肉(腹筋/背筋)の衰えに因る。それらの意味からもこのトレーニングは男性と同様女性にも有効だ。中年になって少し位太っていても姿勢の良い女性は十分に魅力的。筋トレに励んだからと言って筋肉が異常発達するものでもなく、ボディビルの為のトレーニングはそのグレードが全くと言って良い程の別物らしい。

具体的に、どの筋肉を鍛えるにはどうすれば良いかは、筋力トレーニングの本を読んでみよう。どうせするなら正しく効率的なやり方を試みるべきだ。逐一ここで動作を取り上げる事は出来ないし、写真なり絵を使わなければ誤解を生じる。それは本に任せて、簡単な留意点だけを述べる。

心肺能力のトレーニングと同じで、気楽なレベルから出発する。
はじめの1ヶ月は物足りない位の重さが良いだろう。トレーニング姿勢は特に大事で、簡単な腹筋運動でも理屈を知らなければ腰の関節を痛めることがある。 私も何度肩や腰を痛めた事か。次に動作に馴れた時に使用する適当な負荷(重量)とは、12回から15回程度同じ動作を繰り返せば限界に達する程度のものとする。(目的によって若干異なる) ダンベル等は挙げるも下げるもゆっくりした方が効果がある。問題は挙上回数ではなく、筋肉に対する効果の方だ。

トレーニングした後はその筋肉を二三日休ませる。翌日、又は翌々日には使った筋肉に痛みがあるが、この痛みがなければ筋力に見合ったトレーニングではなかったと、むしろ反省の材料にしよう。又、適度な筋肉痛は充実感を伴うもの。 事後の筋肉痛のない効果的なトレーニングはあり得ないので筋肉痛は歓迎してあげよう。

更に体の筋肉には、相互に反対の動きを担当する部位があり、これを拮抗筋と言うが、両方を同じようにトレーニングすれば体がいびつになる事を防げる。胸板を厚くしようと大胸筋ばかりを鍛えている人を見かけるが、同時に背中の向背筋も強化しないと、強くなった胸の筋肉に引っ張られて姿勢は返って前屈みになってしまう。同様に上半身ばかりトレーニングするのも考えものだ。体力維持の趣旨から見ても全身をまんべんなく刺激したい。

一つだけ具体例をご紹介しよう。肩凝り解消の為の運動。両手に何か重いものを持って立つ。両手を使って持っても良いし、それぞれの手に持っても良い。手は自然にぶら下げたたまま、それを首から肩にかけての筋肉(僧帽筋という)だけを使って小さく、けれども限界まで上げ下げする。首をすくめる姿に似ている運動だ。この要領が解りにくければ、大き目のカバンに重い物を入れて取っ手を両手で持ち、肘の方を高く上げながら体に沿って鼻の高さまで上げ下げする。両肩の筋肉に刺激が感じられるだろう。これなら特別な要領などはない。鞄に入れる重さは自分にとって一寸だけ重いかなと感じる物にする。人によって、又トレーニング頻度によってそれは異なる。重いから、より有効という訳でもない。早く直そうとやり過ぎるのもよくないが、継続してやれば一ヶ月位で肩凝りは消える。

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柔軟性の維持
若い時は何もしなくとも体は柔軟だ。 しかし歳とともにそれは失われてゆく。それを維持する目的もあるが、諸運動を終えた時にストレッチをしておく事によって事後の体の休まり方にも良い影響がある。 どうすれば目的の筋肉を伸ばせるかは、これも本で研究されたい。私は毎回15種類から20種類程度のストレッチを順番にやる。 十分にやれば30分位掛かる。

留意点は、動作を兎も角ゆっくりする、弾みはつけないこと。ラジオ体操は急激な体の伸展を伴い危険である、と批判があるくらいだ。ラジオ体操をイメージしては誤解になる。 そして伸展は限界のわずか手前でとどめ、筋肉が伸ばされる事が気持ちよく感じるやり方をしよう。そこで10秒から15秒静止。私は本に書いてある事の他に、姿勢の歪みを取る為に鏡を見ながら<気を付け>をし、そのまま肩を脱力しながら両腕を真横に指先までも伸ばし(肩の脱力は意外とむずかしい)、更にそのまま両腕を上に伸ばす。いづれも15秒程度ずつ。 それが終われば首筋を伸ばして床にしばらく正座、そしてその日を終える。

以上、体力の維持を目的に小文を書いたが、続けるうちに物足りなくなった人がいれば、そこから<体力増進>を目指せば良い。市民マラソンの10kmレースはあちこちで折々に開催されている。 本屋さんに行けば健康マラソンの月刊誌があって、いつどこでどんなレースがある、と詳報が掲載されている。

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私がこれらの運動を始めたきっかけは足かけ9年前、成人病に罹った事に由来する。健康と身体能力にはそれまでたっぷりとした自信があった。若い頃は体力・筋力だけが勝負の職場に身を置いていた。ショベルカー、ダンプ、作業ロボットなどがない頃、それらがする仕事全てをスコップと生身の体で毎日やっていたのだから。その自信がもろくも崩れ去り、自分自身に対して実に悔しい思いを味わった。少し経ってから暗澹とした気持を捨て、よしそれなら迎え撃とう、と始めた事だ。 

だから自分を挫折させない為に、楽しくはあってもこれは遊びではないと言い聞かせた。遊びだったらこれまで続いて居なかったかも知れない。でもそのお陰で運動に親しむ事が出来、むしろ病気に罹った事を感謝している。しかしそれでも長期間やっているうちに気が緩む事がある。昨年から今年に掛けて一年二ヶ月もさぼってしまった。 この間二度再開に失敗している。 今年の5月、ときどき雑記で再開を公言し、それでもって自分にプレッシャーを掛けている。 <継続>は簡単な事ではないが、続ければ文字通り<力>となる。

先日医師に<体力はこの年で増強出来るものでしょうか>と尋ねた。<馬鹿な事を_>と笑い飛ばされたが、直ぐその後で<楽しく続ける工夫をして下さいよ>と付け加えるのを彼は忘れなかった。おうさ。

2001/8/5

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実はお恥かしい事にこの後2年経ってさる事情から全ての運動を止めてしまった。それから8年間は運動無縁の生活を送り、はっと気付いて再開したが、膝を痛めておりもう走れない事が解ったのでエクササイズウォークに変更した。

2011・12・22

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