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タッチタイプ (ブラインドタッチ)

パソコンを始めようと思ったとき、 真っ先にしようと思ったのはタッチタイプだった。ウィンドウズがどんなものか、 ワープロソフトが何なのかを知る前に次の様に考えた。下手にパソコンに慣れてしまうと他のやり方に変えるのに大変な努力が必要になる。何にも知らない今が習得する最良の時だ。

自分は楽器が弾ける。 楽器が弾けるならキータッチはもっともっと簡単な事に相違ない。小さい頃に見たアメリカ映画で美人の秘書が機関銃の様にタイプライターを打ち込んでいたさまを思い浮かべながらそのように考えたのだ。同時に秘書の居ないオフィスでボスが人差し指でぽちぽち入力するさまも。タッチタイプが出来ると後で楽をするに違いない。

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そこで知り合いから古いデスクトップ機を貰い、abcを打ち込む為には何をどうすれば良いか、だけ手ほどきを受けた。色々同時に教えてもらっても忘れるだけ。 起動して打ち込んで終了する、それ以外の動かし方はその次の段階までお預けで良い。

何故か淡い黄色に染まっている画面に向かって、自分が考えた方法に従って、第一日はaからeまでの五文字を、最初はaから順番に、途中からはその五文字で出来ている単語を紙に書いてそれを見ながら打ち込む。二日目はその復習と次の五文字。思い浮かべる単語は少し楽になる。そのようにして五日目には高校の英語のサブ読本(良く今まで失わないで持っていたものだ)を見ながら手許を見ずに打ち込む練習が出来た。

ミスタッチは盛大にしたが、 ともかく真似事は一週間で出来た。訂正の方法を知らないので、打ち込んだキーは全て表示されている。数えて見たらいつも半分以上はミスタッチだった。

タッチソフトの存在を知ったのはずっと後になってからだが、それで練習して見た挙げ句、 最初に手掛ける練習としては私のやり方でよかったと思っている。ソフトは一回当たりの練習量の指定はないのでつい先を急いでしまい、十分消化しないままに残る事は多い。 それとキーの配列から覚えさせようとするので練習は機械的になってしまい、単語を打つ楽しさを最初の内は感じられない。

基本中の基本, ホームポジションに両人差し指を置くことはそのソフトに教えてもらった。しかしタッチソフトは 早いタッチを練習するブラッシュアップの為に主に使った方が良いようだ。それと英字以外の、たとえばスラッシュとかアットマークが総合的に練習できるのもソフトの良いところか。

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数字はファンクションキーの下にある横に並んだキーを打った方が楽。電卓をタッチ出来るのは多くて四本指、 然しこのキーなら八本動員出来る。倍だ。 おまけにホームポジションに近いからタッチしやすい。唯一の弱点はコンマから遠い事。 これは弱点と認める。しかし世の中に美点ばかりのものはない。配偶者と同様慣れでカバーしている。

私は仕事にパソコンを使うから数字キーは多用する。動員出来る指の数から考えて始めた事だが大正解だったと思っている。わが社の事務員さんにそれを教えるのだが、一旦慣れたやり方をその必要の自覚なしに変えるのは難しい。諦めた。

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私の仕事の一つは住宅設計なのでCADは良く使う。なのにマウスは使わない。CADを教えてくれた先生は、そんな馬鹿な とマウスを持ってくるようにアドバイスしてくれた。一日だけ使ってそれを止め、 私がその理由を説明すると要領を得ないままに認めてくれた。

マウスを使わない為には二つの条件がある。 一つはキータッチでコマンド出来るJW_CADを使う事、もう一つはキーボードの真ん中にポインターを動かすスティックの付いているノートパソコンを使う事。タッチパッドではうまく行かない。

CADの説明をすると長くなるので止めるが、兎も角私のスタイルはCADを14インチ画面のノートを使いマウスなしで操作している。美点が弱点をかなり上回っている。CADなのに目もポインターも図面の注視すべき個所から離れて画面周囲のアイコン群を探して動かす必要が少なく、手の甲もほとんど動かさずに済む。(そうあるべく努力中)この良さのもう一つは世の中の全ての場所が設計室になること。列車の中など集中出来ておあつらえ向き。 なのにこのスタイルは異端だ。

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常識と言われるものにはそれなりの存在理由があるはずだ。しかしどのような場合でも常に眞である、と言うほどの強烈な存在でもなさそう。時と場合によっては常識とは少し距離を置いて見た方が良いケースもあるようだ。

2000/11/1

ブラインドという言葉について
このコンテンツのタイトルはタッチタイプ(ブラインドタッチ)とした。一部の人たちにblindという単語は差別用語と言う主張があるからこのようにしたが、しかし私はblindが相手を低く見る差別用語として使われる事はないと信じており、いわゆる"言葉狩り"を受けているように思えてならない。私は視覚障害者の人達で結成されたグループと長く交流しているが、そもそも視覚障害者の人達でさえ自分達を指すのにblindという言葉を使っているくらいである。日よけは英語で言えばblindであるが、その論法で言えば<日よけ>も差別用語になってしまう。それに<キーボードにtouchするやり方のtype>以外のタイピングというのは音声による打ち込みなどになってしまうと思うので、画面だけを見て打つという意味を込める言葉として<タッチタイプ>は不適切。このような見当違いと思える意見がいつの日か見直されるのを期待したい。

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