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トップページ>工房>コントラバス奏者の工作室>コントラバスエンドピンレスト>このページ第6号エンドピンレスト第6作目のエンドピンレストをご紹介する.このところしばらくは床に張り付く自立型のシンプルレスト系を使ったが,何となくワイヤー固定系が恋しくなったのでこれまで5種類6個のエンドピンレスト製作で得た知識やコツを基にしながら原点へ復帰してみた. 製作コンセプトのうち最大のものは,楽器の振動を出来るだけ忠実に床に伝えると良い響きになるという常識に沿ったもの.なお,この常識が間違いないものかどうか今の私には解らない.莫大な質量の床が逆に楽器の振動を押さえ込んでいるという可能性はどうなのだろう.楽器が床を励振するのは間違いないのだが,楽器自身がより自由に振動するメリットを犠牲にしつつわずかに床を揺すっているのではないと断言出来るのだろうか.実証のデータはどこに?.そんな事にいつまでも悩まないでそう遠くない時期にホールを借りてテストを行うつもりだが(もうかなり長く同様な発言を繰り返しながら,まだ行動を起こしていない)その際テストに使うのは,両極端のものを含んで4つのタイプにする考え.この6号は間違いなくその内の一つ. 話を本題へ戻して,最初の画像はエンドピンを止める衝立(ついたて)を製作しているところ.エンドピンが命中しやすくて命中したエンドピンが外れてしまわない,しかも自身が異常共振して異音を出さない,そして作りやすい,という理想を形にしてみたかった.衝立に使う木材の4箇所を同じ角度で斜めにカットするには”コントラバス魂柱の製作”の小文でご紹介したコーナークランプという便利な道具に再び登場して貰う.下の画像はそのコーナークランプでのノコ挽き.
同じ形の衝立を二つ作り,それを屏風状に抱き合わせて台木に接着する.今回は異常共振を招き兼ねない曖昧な接着をしたくなかったので,クランプを使って接着強度が出るまで強く圧着した.屏風が高いとそれだけ楽器を椅子に寝せた時の安全性が高まる. 次の画像は,エンドピン先がいつも当たる場所がへこまないように紫檀の板を敷き込むのだが,それには紫檀の板をいきなりノコで切るのではなく,薄いベニアを切って上の画像の衝立に突き当てて角度を確認し,それを紫檀板の上に重ねてクランプで締め付け,ベニアに沿ってノコを使うという,ちょっと回りくどいがぴったり合う方法を採った. そうして作った紫檀の板を台木に接着しているところ. 完成したエンドピンレストの先端部分.エンドピン先が台木の中央に当たるように作った. 同じく足裏.第2号コントラバス型エンドピンレストで採用していた3点支持を改良して,ビスではなく紫檀木片による3点支持にしたので床を傷める恐れがほとんどなくなった.なお,台木中央に掛かる楽器重量はバランスよく前後に配分され,三つの紫檀木片の単位面積あたりの重量負担が同じ位になるよう木片形状を考えたので,床とのあいまい接触による異音は多分起きないと思われる. 6号の全体画像.ワイヤーはパイプ椅子への取り付け部分以外は新しい考えに基づいて作り直した.そのアイデアの主要な点は2つあり,第一は,エンドピンレスト前後位置をベルトで調節しても椅子センターから見てその左右位置は変わらないし,ワイヤーと椅子脚で描く三角形の頂点に常にエンドピンが来るので,2号改ではかなりあった横ブレがなくなったこと.第二はベルトによる前後調整はバス椅子に座ったまま右手で行える事.このアイデアでは,楽器を構えた状態からネックを左手で支えながら右手でエンドピン位置調節ベルトを引っ張って位置決めをするつもりだった.出来上がってやって見たが,それは不可能と言う事が解って残念だった. ワイヤーと調節用ベルトの接合部.画像左の2本ワイヤーはバス椅子の左右の脚に取り付けたワイヤーがエンドピンレストのWリングを経由して戻ってきたもの.黒いチェーンはベルトで調節し切れなかった場合に備えた延長用アイテム.右端の黒いベルトはエンドピン前後位置調節用.それに取り付けた輪ッカは手芸品店で見つけたものだが,幅のあるベルトに使う金具でDカンと言う.手芸品店もDIY店の一種に違いない. これは調節ベルトの椅子側の端.椅子脚への取り付け方は第2号改エンドピンレストの小文でご説明済み.それを取り付けているWリングにはエンドピンまで伸びるワイヤーも取り付いている.これでワイヤーの引き回し方をご理解頂けただろうか.なお,ワイヤーの終端処置は出来るだけ小さく丸めているが,これは演奏しているうちに前方へ滑り出そうとする楽器の重みでワイヤーが伸びてしまわない為.クランプカン(これも第2号改エンドピンレストの小文でご紹介)をどの箇所も二個づつ使って止めているのは,かしめがゆるんでワイヤーが抜け楽器が転倒する恐れをなくす為.これらは経験則による処置. 台木の分厚さにも意味を持たせた.エンドピン先がそれによって床からの位置が高くなるのでエンドピン長を伸ばさなくても弓が弦に当たる位置を駒寄りに出来るという利点がある.いはばトルトゥリエ/エンドピン(曲がり角度のついたエンドピン)に似た効果だ. このエンドピンレストではエンドピン先は床から33ミリ高になるが,演奏中私は楽器を40度に傾けるので計算上エンドピンが51ミリ余分に長いのと同じ効果がある.エンドピン長を変えないでそれを長くしたと同じ効果が得られるのは,魂柱(木材)をエンドピンとして使う場合に強度面から大いに助かる. 画像のエンドピンは古いコントラバス魂柱そのもの.その先端に小穴を掘り,小さい紫檀ブロックを擬宝珠(ギボシ)のように旋盤加工したものを埋め込んでいて,反対端(楽器側の端)はごく緩やかなテーパー加工をしている.楽器底につけたエンドピン受けも硬い木で作り,受け穴も同様にテーパー加工したので,エンドピンを差し込めばがっちり受け止める.一旦差し込んだピンは力を入れてねじらないと抜けない(コントラバスエンドピン各論において詳述).なお,テールワイヤ(緒止め糸)はガット製.
後日談 もう一つ手を加えたのは,楽器を乗せた台木が若干左右にブレるようなので(つまりワイヤーが描くはずの理想的三角形の頂点に常に留まるとは限らないようなので)細身のボールペンの外側プラスチックを輪切りにして,ちょうどネクタイを締めるようにして使って見た.下の画像は登山靴紐の取り回し方が良く解るように緩めて撮影した.
台木木材寸法=90(W)*145(L)*21(H) 2007/10/22 |