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第4号バス椅子の製作

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■ バス椅子の変遷その4
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第4号バス椅子図面
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■第4号バス椅子の設計コンセプトは
1) 楽器を安定して保持出来,弾きやすい
2) 椅子として座り心地がよい事  背もたれのないピアノ椅子を手本とする
3) 運搬が楽な構造とする

■第4号を手掛けたきっかけをご説明する.
A) 第3号を作って以来何度も脚を切り縮め,座面は一寸刻みで止め処なく下がって行った.理由は,座面とステップ(足位置)の相対関係を変えなければ,床に対して何センチ高にしようが,それは楽器のエンドピン長が変わるだけで構え方に影響を及ぼさない.となると座面は低いほうが安定感はある.この事実を2〜3センチずつ脚を切っては確認して行ったからだ.ところが第3号の構造からして脚をそれ以上切れない所まで来たのに更に切りたくなった.

B) 一方2001年夏に広島市の奥田さん宅を訪問し,平台に乗ってバスを弾いてみたが,その際平台上の幅広ピアノ椅子は私の第3号バス椅子と比べて別格の安定感があった.その最大のポイントは両太もも外側が受ける椅子からの柔らかい抵抗感だと理解した.
C) それから一年後の2002年夏,野田さんが我が家を訪れ,その際に部屋に置いていたチェンバロ用の簡単な木製椅子で弾いてみてください,と言われてバスを抱えて座ると,低すぎるものの使えなくはないと実感した. 同時に,それまでも足を直接床へ下ろす試みをしてはいたが,それに対する心理的な抵抗感がふっきれた.

これらを総合して改めて考えた時,その指し示す方向は
い) 座面の横幅を広くすることは心理的/生理的な安定感の為に是非必要
ろ) 現に床に対してかなり低い座面で弾きずらくない以上,もうちょっと下げて足をステップにではなく床に直接下ろして弾くスタイルを大前提にした設計をためらう理由はない

*

となると,第3号を作って2年にしかならないが,作り直すしかないと強く思った.設計に入りやがて図面は出来たが,分解して運搬する仕掛けの細部設計アイデアをどうしてもまとめられないので,それだけは出来てから詰めることにした.

設計図
第4号コントラバス椅子図面1

第4号コントラバス椅子図面2

第4号コントラバス椅子図面3

設計図に基づいて製作を行い,製作過程で加えた変更をフィードバックさせて描き直した図面.下の実物画像とは微妙に異なっている
今回,発想の原点は太もも外側のホールド感の追求.従って座面幅が広がり,姿はピアノ椅子に近づいた.これに加えて考慮したのは携帯性(つまり軽さと折畳み性能)と,休憩時に楽器を休める際の安定性及び楽器を傷めない配慮,更に丈夫であることと製作が困難でないこと.精度を追及するために機械加工を前提にした.座面と両脚の接合は蝶ボルトとナット(左右一組ずつ)による.

第4号バス椅子の組み立て
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製作工程を画像によってご紹介する.

片脚用パーツ
製作中の4号コントラバス椅子1

座面用パーツ
製作中の4号コントラバス椅子2

座面パーツを接着剤で張り合わせ,はたがねで締め 一日放置する
製作中の4号コントラバス椅子3

塗装工程. オイルステイン拭きがハケ跡もなく楽できれいに出来る. 私はペイント薄め液でしっかり薄めたオイルステインを布の裾2センチ位浸し,それを畳み込んで空拭きの要領で塗料を滲み出させながら拭いてゆく.写真の布を一回の浸しだけで椅子の材料全部を二回拭けるが,それを5回繰り返し,その都度180番から240番のサンドペーパーでケバを取った.塗装工程はゆっくりした”手間掛け”が全てに優先する.今日はここまで.
製作中の4号コントラバス椅子4

失敗した仕上げ塗り.黄色い仕上げニスを使ったのに不思議なことに赤くなった.ラベルの張り違いだろうか.おまけにちょっとネバいのをそのまま塗ってしまって刷毛跡が付いた.それをカバーしようと塗り重ね,事態は更に悪くなった.台無し.記念撮影の後,サンドペーパーで塗装を剥ぎ取った.剥いでもう一度塗ると色は深くなるのでそれを期待.
製作中の4号コントラバス椅子5

完成.3号バス椅子の脚を切り縮める過程で,足をステップではなくチェロと同じように直接床に下ろすようになったが,4号ではそのステップを取り去った.この構え方の持つ安定感を見捨てることは今後ないだろう.
4号設計当初からの最大の変更点は両脚と座面の接合をあり継ぎ部品でなくボルト/ナットにしたこと.椅子使用中の左右の振れは意識して動かすと2センチ程度.
完成した4号コントラバス椅子1

シートを裏返しマジックテープをあけた画像.余っていたカーテン地を使った.シート底は,シートが座面木部枠にちょうどはまり込んで動かないように底布地を上下から薄いベニア板で挟み込んで接着した.これによってシートはセットすれば動かないのに,付け外しは簡単に出来る.なおクッション材は色々考えた挙句に密度の高い壁用100ミリ断熱材をガーゼ状の布で包んで一番下にし,ペッタンコにつぶれる安物の80ミリ厚クッション材を中に,パンチカーペットを一番上に組み合わせて全体を圧縮し,6センチ厚に作った袋状のシートカバーに押し込んでクッションを作った.
この画像で左の蝶ボルトは見えているが,座面側板内側に見えるはずの受けナットは板の厚さに助けられてしっかり座抉った為に隠れて見えない.
完成した4号コントラバス椅子2

接合部分の画像 画面上部は座面内側ナットの取付け部分 画面中央は脚の裏側 画面下部は脚の表側
完成した4号コントラバス椅子3

運搬用に分解した画像.布で専用キャリーバッグを作る予定.脚パーツの中央に見える黒い部分はあり継ぎ部品用に座抉った跡を隠すため黒檀の板をはめ込んだもの. こうして見ると第3号のワンタッチ折り畳みアクションの美点は忘れがたい.
完成した4号コントラバス椅子4

第3号との比較写真.第3号の脚は少しずつ切り縮め,極限まで来てしまった.第3号バス椅子ブースにある製作当初画像と比較されたい. 第4号の座面は高く見えるが,座ると実際は第3号より2センチ低くなる.
3号4号コントラバス椅子

2002/11/23


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