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第三号バス椅子 その2

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■ バス椅子の変遷その3
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エンドピンの滑り防止
楽器が演奏中に滑り出さない為の,エンドピンを刺す木片は以前のものを流用した.二本の前脚に紐をループ状に取付け,その先に窪みをつけた木片をくくり付けるのであるが,このたび前後二つの窪みの,先端側を切り落とし,木片の寸法を半分に小さくしたが,理由はステージの床との間で共振して異音が出る事を防げるから.それまでも異音は無かったが完璧を目指した.木片が舞台に接する現在の面積は5センチ*8センチ.

木片について笑い話がある. 先日のコンサートで,木片を使わず床に注意深くエンドピンを刺して演奏して見た.何故なら座面を低くしたのに比例してエンドピンを短くしたので,楽器の尻の先にあるエンドピンが見えにくく,木片の窪みに差し込む際に,はまり込むのを確認しづらかったのだ.

出番の五重奏アイネクライネナハトムジークはおとなしく弾ける小編成の演奏なので良かったが,人数の多いポピュラーステージでは二度もバスがズルッと滑りだし,結構な音を立ててしまった.

私の演奏姿勢はチェロのように楽器を寝せているのでそうなってしまうのだ.打ち上げで酒の肴にされてしまった.やはり私の演奏スタイルに木片は欠かせない.エンドピンの先端を尖らせて使っても良いが,車に載せた時に内装を痛める恐れがあり,その方法は採っていない.

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譜面台の取付
譜面台運搬の為の仕掛けは,後脚補強の上下二本の横桟それぞれにマジックテープをタッカーで止めて,折り畳んだ譜面台に巻きつけるようにした.前のタイプでは脚そのものにくくりつける様にしていたが,それより付け外しが簡単でデザインもすっきりしている.
折り畳んだ第3号バス椅子

バス椅子を折り畳んだ姿. 携帯性を重要視している為にコンパクトで軽く作る事に主眼を置いた.然し,しっかり感を犠牲にしてはいない.畳んだ両脚は広がらないよう脚先をマジックテープで留める.

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材質と塗装
材質と塗装は,このたび木工房の意向もあって桧にオイル拭きとした.オイル拭きとは,植物性のオイルを雑巾にしませて拭くだけ.依頼した木工房は専用のオイルを使ってくれるが,手に入れてからは,自分で時々サラダオイルを塗る.オイルの良さは,物に当てて傷がついても解り難いところにある.木目の良さで材質を選ぶなら松とかナラが良いと思うが,今回は桧を使った.前作は松.

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使用感
意図した通り,休憩時間に椅子に持たせ掛けた楽器の安定感が増し,一層の軽量化が図れデザイン的にも更に無骨さが無くなりスマートになった.バックスキンと銅の傘鋲を使った事で全体の印象をうんと向上させ,満足の行くものとなった.上等のバックスキンが大阪のDIY店で一枚2500円,それを半分しか使わないで済んだ. 楽器が滑らない事に加えて,座った尻も滑る事なく安定し,良い事づくめだった.

第三号の反省点は30センチの座面幅を,物理的には十分であるが,もう3〜4センチ拡幅すれば心理的にも安定する.また長時間使用の為には脱着式の背もたれを追加したいところ.運搬時には畳んだ両脚の内側へ固定すれば良いはず.

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蛇足
第一号作品を作った時は自分だけのアイデアであることもあって自信が無く,ステージに持って出るのが気恥ずかしかった.二号作品は開き直り,これが自分のスタイルだと胸を張って使った.ただし,製作後改造を加えて見栄えはしなかった.三号作品はむしろ人にも奨めたい位.逆に椅子を使わなかったら,途端にポジションが解らなくなる.この椅子でプルトを組む事は念頭に置かず,譜面台は単独で使用する他はないだろう.

このスタイルで昨今計画しているフレンチ弓を使用すれば,余り音楽に詳しくない人は大型のチェロと思うかもしれない.プログラムを読んで気付くだろう.詳しい人なら尚更びっくりするだろう.それを考えるとふふっと楽しくなる.私に更に自信をつけて下さったフランクフルト市響野田一郎氏のホームページに感謝したい.

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木工製作者
もし読者がこの椅子を参考にしたいなら,図面を提供する.近くの建具屋さんでもその図面を見せれば作れると思うが,もし作って欲しいなら,私が信頼して依頼した久留米の木工房を紹介するので交渉されたい.その工房では我が家の家具を時々依頼して製作してもらっている.同じように図面は私が描いて渡しているが,細部は彼の知恵をお借りしている.

この椅子も最初は苦労をしたようだが,同じ物を作るならそこはプロ,次は作業時間も短くできるだろう.座面の皮貼りは,器用でなかったらやはり別に本職に任せた方が良いか.木部の製作だけに要する費用は材料共で3万円強.後から自分で取付けた部品の合計額は五千円程度.久留米の木工房は”アトリエ石田”という.

アドレスは
a-ishida@po.saganet.ne.jp
ちなみに彼の奥さんはステンドグラスの作家である.

2001/1/1


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