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音楽そしてコントラバス・トップ>工房>コントラバス奏者の工作室>トムソンバス椅子>このページ 新(第4号)トムソンバス椅子今回の椅子と前作までのトムソンバス椅子との違いは、楽器をバス椅子に固定してしまい、あたかもピアノとか琴のように動かないコントラバスにしてしまうのではなく、今回はその向き・傾きを奏者の体でコントロールする常識的な動きが出来る椅子に戻した事。だがその為には専用足台の使用が前提。 最初の画像は完成したばかりの椅子。座面は前作より大きいが構造は単純化している。 座面を製作中の画像。これはベニア裏板の上に補強桟を接着した後で座面周囲4面を垂直にしかもまっすぐにノコで切り落としているところ。切断予定面を上下から厚めの板で挟み込み、大型の洗濯ハサミのようなクランプで固定しておいてその上下の板をガイドとして使いながらノコギリを引く。ノコをまっすぐ使うのは本職の大工でないと困難だが、その場その場で適当な即席補助具を考えて使うと本職に近い出来上がりになる。
座面内部はこのように高さ2センチの桟を縦横に渡してそれを裏板・表面板で挟んで接着する。裏板材は3.2ミリベニア、周囲の側板は3ミリ無垢板、表面板は厚さ3.6ミリベニア、薄い桟は松板、太く白い桟は材種不明の抜群に軽い木材、そしてL型金具の取付けビスをもみ込む位置には強度が必要なので松材を使ったが高さは同じ2センチ。 側板接着済みの座面を裏側から見た画像。吹付け塗装の最中だが一部が不要に黒くなった。 3.6ミリの表板を貼り終えてからサンドペーパーは150→360→600番と次第に細かいペーパーで磨いて行き最後にスプレー塗料を吹き付けたところ。背中側から見ている。 座面を椅子に取り付けたその裏側の画像。L型金具で取り付けた様子が判る。 座面をL型留め金具4個で椅子骨組みに取り付け、楽器背面を受け止めるクッションを貼ったところ。このクッションは前作の流用。 クッション画像。 楽器に接する側の表面は滑り止めゴム。裏の薄いベニア板との間は2センチ厚のクッションゴム。 クッションを取り去って斜め45度に取り付けた受け材を見たところ。クッションの脱着は貼り付けたマジックテープで行う。なお白っぽく見える細長いものは座面角に接着したゴム製の緩衝材。楽器背面が当ってしまうおそれがあるので取り付けた。
座面の背後から見たところ。座面を取り付けたL型金具が見える。
座面を真上から見下ろした画像。右側が大きく張り出しているのは右太もも裏側を下支えする為。左側が張り出していないのは画像左上に見える足台に左足を乗せるので左太腿は座面から浮き上がって下支え不要の為。
座布団。これは前々作の流用。縫製した時には座布団が大き過ぎて失敗作かなと思ったが、ここへ来て座面の面積を3割程度大きくしたのでジャストサイズになった。
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座面高さは座布団なしで床から49センチ。座布団を含めれば尻の高さはちょうど50センチくらいか。椅子の背に当てた小さいクッション材は自動車部品店で見付けた運転席に敷くクッション。座面はミシン目で9分割してあったのでその1角だけをハサミで切り出して使っている。 新座面を含めた椅子総重量はジャスト4.0Kg。前作の第3号は3.9Kg。前よりもっと軽く作るつもりで取り掛かったがその点は失敗。しかし座面が3割程度大きくなった事を考慮すると仕方ない。 付け足しだが、座面工作にはTiteBondと云うアメリカ製の木材接着剤を使っている。そんなに高いものではない。ビスを使って接合したのはたった4か所て強度が是非必要なL型の取り付け金具だけ。それ以外はタイトボンドで接着している。この接着剤は強力なので今では工作に欠かせない。 2015・1・24 2015年から2016年前半にかけて楽器背面を支えるクッションについて小さい試行錯誤を続けて来て、このところどうやら気持ちが落ち着いたので、これまでの途中経過を省略して現状だけをご紹介する。 * 下の画像はその最新クッション。大きく変わったのはそれを固定するのにマジックテープでなくビスと蝶ナットでしっかり固定したこと。取り付け位置の変更はもう出来ないが、最初から計算された位置に固定出来たらそれが一番手間要らずになる。 楽器背面クッションの裏側。この画像からクッションはかなり低くなったのが解る。椅子に座る際に太腿裏側がここに当たって椅子位置が動いてしまう恐れを減らした。またクッションの左右両脇には断面がL字型の緩衝材を取り付けてあやまって楽器が強く当たっても傷つかないようにした。 真上からの画像。画像右のクッションは小さくしただけでマジックテープ止めは変わっていない。 正面画像。 側面からの画像。 上から覗き込んだ画像。右のクッションは従来通りのマジックテープ止めなのでクッション位置は変える事が出来て、楽器右半分を引き寄せたり押し出したり出来る。この画像で解るが、楽器はおおむね正面を向いているように見える。事実、弓を持つ右手が右膝に当たる可能性はごく低い。 クッション作成に使った材料。
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2016・5・27 互いに関連するコンテンツ群 |