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テールピース交換作業

テールピースの交換をした。これまで使っていたローズウッドテールピースにはガット弦にコーディネートさせるかたちで太い生ガットテールワイヤーを取り付けていたのだが、ワイヤー端部の抜け防止にぐるぐる巻き付けた細紐がちょうどクサビの形になってしまってワイヤー穴に喰い込んでテールピースを割ってしまった。どうやら細紐の締め方が緩かったようにも感じるが、極太生ガットの取付作業は見るからに職人さん泣かせだったと思われる。

昨年暮からガット弦でなくてタングステン弦を使いはじめたところだったのでテールピース交換と同時にワイヤーもスチールで作り直して貰った。

画像は作業前の新旧二つのテールピースを並べた記念写真。上が壊れたローズウッド、下が新品のツゲ。ツゲは軽い。明るい音が好みなので軽い材質ならそれを実現出来るのではと思った。古いローズウッドが254g。新しいツゲ材が194g。
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ローズウッドが壊れて以来仮使用していた鋳物製テールピースを外してツゲに変える作業に先立って作業環境の整備を周到に行った。

作業台には応接台を使い、下に薄い布団を敷いたままでは滑り易いので両側から背もたれ椅子を背中合わせにして紐で結び合わせ、スクロールは作業中体が触れないように画像のようにした。弦が緩んでいる状態で不用意に楽器が動くと魂柱が倒れる恐れがあるのでこうしている。それでも魂柱が倒れる事態もあり得るので、現在の魂柱位置を調べてメモしておいた。下の画像はその際のもの。

魂柱位置確認方法は向こう側からF穴に差し込んでいる自作の魂柱位置測定器を使ったが、それについてはコントラバスの魂柱立てで詳しく書いている。駒を挟む2本の白いものは駒の立ち位置を調べる自作道具。
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弦を緩めて駒を倒さなければならないが、魂柱位置の上から表面板に圧力を掛けて作業中にに魂柱が倒れないような用心をした。魂柱が立っている位置に分厚い国語辞書と音楽辞典を載せたが、そのままでは重しにした本が表面板から簡単に滑り落ちてしまうのでそれぞれに滑り止めシートを敷いている。
また、弦を緩めればテールピースが落ちるので下に布を敷き込んだ。
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テールピースの交換が済めば、少し弦を締めてからワイヤーをサドルの中心に合わせる。弦をしっかり張るまでは何度か確認した。
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テールピースに弦端のボールが間違いなくはまっているかどうか外からだけでは解らない。指を這わせて確認する。これも失敗に学んだこと。
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次にもう少しだけ弦を締めて駒の立ち位置を確認する。最初の画像はねじれて立っていないかどうかの確認、次の画像は左右に偏っていないかどうかの確認をした。
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次に直角定規で駒の仰向き加減を調節した。更に弦を締めてゆるいチューニングで駒などこれまでの調整の見直し確認、それから正しいチューニングをする。正しいチューニングが済めば最後にもう一度全部の確認をする。始めのうちは弦が緩み勝ちなので何度も弦を張り増ししなければならないが、それによって駒は指板方向に引きずられてしまうのでしばらくの間はしばしば駒の傾きをチェックしなければならない。駒は普段から3〜4ヶ月ごとに横から目視する習慣を身につけたいのだが、ついうっかり半年そのままと言う事があったりする。そう、うっかり何かに触れて少し横にずれてしまったのに気付かなかった事もある。
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2011・9・20

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