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弓ガイド

弓を駒近くまで下げて弾くと音が明確になるのはご存知だと思うが、そのように習慣付けようとしてもすぐに弓は元の位置まで上ずってしまう、という経験をしてはいないだろうか。 私はずーっと長い間その意識は持ち続けていて理想を駒上10センチに想定してはいるのだが、実際問題いつもそのように出来ているという自信はない。時々弦をぬぐっては新しく付く松脂の跡に物差しを当てて確認をするもののリアルタイムに判定出来たらどんなに良いだろう。

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今日練習していて、ふと解決法を思いつき早速練習を止め弓ガイドを作った。取り付けてみると私が思った以上に具合が良いようなのでご紹介する。

これは幅1センチ、厚み2ミリの薄い木の板。以前何かを作った折にDIY店で買って使った残りもの。同じく1センチ*1.2センチの棒、これも余り物。 それをこのように接着する。
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左半分には荷造りテープをこのように貼り付ける。荷造りテープは接着力が強いのでこれを使うのに迷いはなかった。右の赤と黒はそれぞれビニールテープ。この意味はその下の画像でご説明する。これで弓ガイドは出来上がり。
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弓ガイドの中ほどの1センチ角材の上端を指板下端に突き当て、指板の裏側へ貼り付ける。荷造りテープは上述したように強力だ。赤黒のビニールテープは駒からの距離を表している。この例では駒から10センチの位置が赤テープの上端に来るように貼っている。黒テープの上端は駒から8センチになる。これを目安にして弓の通り道を決めようという計画。
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使ってみるとおおむねそれで良かったのだが、弾いている時の視線はかなり斜めになるので本当に赤テープの上をちゃんと弓が通っているかどうか目視の自信が持てない。そこで断面が三角で一辺が1.5センチの木材(これは確か百均ショップで手に入れていたもの。断面形状が三角形と言うのは要件ではなく目視が容易になれば何でも良いと思う。)を1センチ幅にノコギリで切り落とし、更に弓毛が通る1ミリ下の高さでカットして貼り付け、この表面にもビニールテープを貼った。弓を強く弾くとこの三角材に触れるのだが厚さ2ミリの薄板はしなってくれるので何の問題もない。
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本番の時に外すのを忘れなければ良いが。。。。

真横から見た画像。三角木材の頭は弦よりほんの僅か低い。
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指板の裏の画像.1センチの角材は指板の下端に突き当てている。粘着テープで薄板を裏から貼り上げている様子も良く解る。
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その後で更に楽曲を1時間通常のテンポで演奏して見た。弓奏では問題がなかったがピチカートで少しビビリが発生したので一度取り外し、厚みのある両面テープを部分的に貼った。これは貼り付ける為と言うよりは緩衝材のつもり。全面に貼らなかったのは剥がす時に難儀をすると思ったから。
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2009・3・27

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何日かこれを使ってから少し改良したくなった。弓の通り道が目標位置から外れてもほとんど音に影響が出ないのはメリットなのだが、早くて難しいところを弾く時には弓の通り道を目視するゆとりは勿論のことそれを考えるゆとりもなく、そんな時にこそ弓は盛大にうわずって来るのでこれをどうにかしたい。

それに的を絞った改良が下の画像。弓ガイドの三角材の頂点は弦からおよそ1.5ミリ高くした。弓がここを触ればシーッと擦れる音を出すので限界を超えたことがそれで解る。弓が逆にずり下がる事は少ないのでそれへの配慮はしなかった。また、あわよくばステージ上でも使えるかもしれないと保護色のつもりで楽器と似た色を塗り、全長も三角材から下は切断した。これを例えて言えば<国境警備隊>。国境線を越えて隣国へ入ろうとすると警告の射撃を受ける、そんな意味合い。更に全長はおよそ2.5センチ短くして駒の頭から12.5センチ上がったところに弓ガイドの三角材が来るようにした。これで自然に駒から10センチ離れた場所あたりを弓が通ってくれる。ただしこれは毛替え前で寿命の尽きかけた弓毛で練習した方が良さそうだ。少し慣れたらやっぱり三角材は弓に触らないようちょっと下げるべきか。
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これを使って弓の通り道を下げて芯のある音を目指すならばこの弓ガイドだけを使うのではなく、楽器と体の関係を徹底的に見直してどうすれば自然に下がるかを併せて研究しなければ挫折してしまう恐れがある。通常の高さのバス用スツールではなくもう少し座面が低い椅子を使うのは有効な一手段ではないかと思っている。

2009・4・4

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